トルコの家庭料理
挽き肉の詰め物"なすとピーマンのドルマ"

挽き肉の詰め物"なすとピーマンのドルマ"

ドルマとは野菜に詰め物をした煮物です。前菜にも主菜にもなる一品です。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

“なすとピーマンのドルマ”のつくり方

なすやピーマン、トマト、ズッキーニなどに詰め物をして煮た料理がドルマ。ちなみにキャベツやぶどうの葉で具を巻くものはサルマと呼びます。挽き肉を詰めたものは主菜に、米を詰めたものは冷菜としてメゼに。とろける野菜と挽き肉の組み合わせは、ボリュームがありながらもやさしい味わい。

材料材料 (2~3人分)

なす4本
ピーマン4個
★ フィリング
・ ラム挽き肉*1300g(または牛)
・ 米*21/4カップ
・ 玉ねぎ1/2個分(みじん切り)
・ イタリアンパセリ大さじ3(粗みじん)
・ 塩小さじ1/2
・ 胡椒小さじ1/4(またはチリペッパー)
A
・ トマト1個分(角切り)
・ バター大さじ2
・ 塩小さじ1
・ 胡椒少々
・ ローリエ1枚分(手でちぎる)
・ トマトペースト大さじ1
・ 水400ml

*1挽き肉はラムか牛のどちらか1種でも、または2種類混ぜてもよい。ラムの挽き肉はスライスを包丁で細かくたたいて使用。

*2米は洗って水気をきって使用する。もしくは炊いたご飯を使っても可。その場合は煮込み時間も短縮できる。

1なすをくりぬく

なすはヘタの下から切り落とし、スプーンで中身をくりぬく。くりぬいた中身も取っておく。切り落とした上の部分はヘタを切り、蓋として使う。

なすをくりぬく

2ピーマンの種をとる

ピーマンもヘタの下部から切り落とし、ワタと種を取り除く。

ピーマンの種をとる

3フィリングを混ぜる

ボウルにフィリングの材料をすべて入れてよく混ぜ合わせる。こねなくてもよい。

フィリングを混ぜる

4フィリングを詰める

なすとピーマンのくりぬいた部分に、3のフィリングを詰め、それぞれ切り落としたヘタの部分で蓋をする。

フィリングを詰める

5煮る

深さのある鍋に4を立てて並べ、隙間にAと、1でくりぬいたなすの中身を加える。トマトペーストを分量の水で溶いて注ぎ、蓋をして弱めの中火にかける。沸いてから20分ほどを目安に、なすとピーマンがくったりと柔らかくなり、煮汁にとろみがつくまで煮る。

煮る
完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。