吉田 愛さんのもてなし料理
だしの旨味と春の風味を堪能する"春野菜のお浸し"

だしの旨味と春の風味を堪能する"春野菜のお浸し"

だしの旨味が堪能できる目にもおいしい緑の一皿です。唎酒師の資格を持つ料理研究家、吉田愛さんに春らしい食材をつかった、日本酒に合うもてなし料理を教えてもらいました。

軽やかな和食

青々しい味わいの豆からだしが立ちのぼる、春の佳品。スナップえんどうは何本か開いておくと、見た目に動きが出てきれいに盛りつけられます。

せっかくなので、「だし」をとりましょう

日常の生活の中でだしをとるのは、なかなかハードルが高いもの。でも改めてやってみると「ああ、おいしい」と感動します。今回はおひたしやお吸い物向きの、贅沢な一番だしのとり方を習いました。

材料材料 (約4カップ分)

5カップ
昆布15g
削りがつお20g

1昆布を水につける

昆布は固く絞った布巾で拭き、水を入れた鍋に入れて1時間置く。

昆布を水につける

2火にかける

1を弱火にかけ、沸騰直前で昆布に泡がぷつぷつついてきたら昆布を取り出す。

火にかける

3かつおを加える

火を止め、削りがつおを加える。

かつおを加える

4漉す

アクが出たらすくい取り、5分ほど置いてから厚手のキッチンペーパーを敷いたザルで静かに漉す。

漉す
完成
昆布を火にかけすぎなければ、あとは失敗もなくおいしいだしがひけます。2倍の量でつくって冷蔵庫に入れておけば、お味噌汁や煮物もすぐ完成。贅沢な余裕が生まれます。

“春野菜のお浸し”のつくり方

材料材料 (4人分)

スナップえんどう12本
そら豆50g(12粒ほど)(さやから出したもの)
アスパラガス3本
A
・ だし1カップ
・ 淡口醤油小さじ1
・ みりん小さじ1
・ 塩小さじ1/4

1下ごしらえ

スナップえんどうはヘタと筋を取り除く。そら豆は薄皮に1ヶ所小さな切り目を入れる。アスパラガスは根元を1cmほど切り落とし、ピーラーで下1/3の皮をむく。

2ゆでる

塩少々(分量外)を入れた熱湯で1をそれぞれゆで、氷水にとり、ザルにあげて水気をきる。スナップえんどうとそら豆は2分、アスパラガスは1分30秒が目安。

3カットする

スナップえんどうは斜め半分に切り、3~4本分を半分に開く。そら豆は切り目から薄皮をむく。アスパラガスは幅1cmの斜め切りにする。

4仕上げ

Aをよく混ぜ合わせ、3を漬け、冷蔵庫に2時間以上置く。

完成

教える人

吉田 愛 料理研究家

吉田 愛 料理研究家

東京の日本料理店にて板前として働き、その後、より本格的に和食を学ぶために京都で修業。本格和食から、簡単な和テイストのおつまみまで幅広く提案。唎酒師の資格も持ち、日本酒と料理の合わせ方などを提案している。雑誌、メニュー開発などで活躍中。著書に『温故知新 和食つまみ』がある。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

写真:田村昌裕 文:編集部