にらにじゅわっと熱い油をかけることで、甘味を引き出します。ひと手間で、本格的な中華つまみに!京都の老舗中華料理店からキャリアをスタートした料理家・今井亮さんの、酒が進んで困るつまみをご紹介します。
香辛料と油を巧みに使った中華料理は、お腹を満たしながらのんびり家で飲むにはぴったり。気楽にビールやサワーなどとも合わせやすく、また紹興酒やワインなどしっかりした味わいの酒にも合う。なにせ中華料理の懐は深いのだ。繊細な仕立てから、しびれたり辛いものまで自在なので、飲みたい酒に合わせた中華的な味わいのつまみを選ぶことができる。
老舗中華料理店での修業の経験をもち、その後も中華料理をベースに数々のレシピを開発している料理家の今井亮さんに習ったのは、簡単な調理法なのに本格的な中華つまみの数々。実は、ねぎのみじん切り一つにしても「プロの技を使うか、初心者向けにするか」考えながらレシピを組み立てるという今井さん。小さな豆皿の中にもロジカルな設計力を存分に発揮している。どの料理も一見、ご飯に合いそうだが、少しずつ甘さ控えめにすることで酒に合う味つけに。深浅の度合いを調節することで酒に合わせる。さっと出せるシンプルで優しい味の和え物から、徐々に旨辛い炒め物、揚げ物、鍋という構成も酒好きにはたまらない。フルコースで味わいたくなる。
胡麻油をかけたときのにらの香りだけで酒が進んでしまう。たれがしみた豆腐とピータン、にらをすべて一緒に口に入れて味わい、すっきりした白ワインを合わせてリセット。
豆腐 | 100g(絹) |
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ピータン | 1個 |
にら | 1/4束 |
ポン酢 | 大さじ2 |
胡麻油 | 大さじ2 |
豆腐は2等分に切る。ピータンは殻をむいて4等分のくし形切りにする。にらは細かい小口切りにする。
ボウルににら、ポン酢を合わせ、胡麻油をフライパンで煙が出る寸前くらいまでよく熱してからかけて、軽く混ぜる。
皿に豆腐を盛り、その上にピータンをのせてから、2をかける。
京都府丹後市の日本海に面した海辺の町生まれ。高校を卒業後、京都市内の中華料理店で5年間修業後、東京へ。東京のフードコーディネーター学校を卒業後、料理家などのアシスタントを経て独立。枠を決めることなく、アイデアに満ちあふれるメニューを日々創り出す。テレビ、雑誌など多方面で活躍中。
※この記事の内容は、「dancyu定番シリーズ 豆皿つまみと小鍋つまみ」に掲載したものです。
取材:田中鮎美 撮影:神林環