北イタリアの家庭料理
甘酸っぱさがアクセントの素朴なデザート"くるみのトルタ"

甘酸っぱさがアクセントの素朴なデザート"くるみのトルタ"

くるみの風味が堪能できる、香ばしく素朴な味わいのデザートです。乳製品や米、生ハムといった特産品を使ったしっかり旨味のある北イタリアの家庭料理を、料理家の山内千夏さんに習いました。

“くるみのトルタ”のつくり方

トレンティーノで親しまれる、香ばしく素朴なタルトは、砕いたくるみが小麦粉の倍以上入っています。ほんのり香るレモンの皮の風味と、間に挟んだベリー系ジャムの甘酸っぱさがアクセント。食後のドルチェはもちろん、午後のお茶の時間にも。

材料材料 (直径18cmの丸型1台分)

くるみ100g(むきくるみ)
薄力粉40g
3個
グラニュー糖100g
溶かしバター30g(食塩不使用)
レモンの皮1個分(すりおろす)
ベリー系のジャム100g(*)
粉糖適量

*ジャムは現地ではラズベリー、レッドカラントなどを使用。

※型にオーブンペーパーを敷いておく。または生地を入れる前にバター(分量外)を薄く塗り、小麦粉(分量外)を薄くはたく。

1下ごしらえ

くるみはフードプロセッサーにかけて細かくしておく。薄力粉はふるっておく。卵3個は卵黄と卵白に分けておく。

下ごしらえ
くるみは完全な粉末にするのではなく、ところどころ粗い粒が混ざる程度の砕き加減にすると、食感も残っておいしい。

2メレンゲにする

ボウルに卵白を入れてホイップし、ふっくらと泡立ったらグラニュー糖大さじ1を加え、ツノが立つまでしっかりと泡立ててメレンゲにする。

3卵黄をクリーム状にする

別のボウルに卵黄を入れて溶きほぐし、残りのグラニュー糖を3回に分けて加えながら泡立て、白っぽいクリーム状にする。

4くるみを加える

3のボウルにくるみを入れてしっかりと混ぜ、溶かしバターとレモンの皮を加えて混ぜたら、薄力粉を加えて切るようにさっくりと混ぜ合わせる。

5オーブンで焼く

4のボウルに2のメレンゲを3~4回に分けて加え、泡をつぶさないようにやさしく混ぜ合わせる。型に入れて表面をならし、180℃に予熱したオーブンで30分焼く。

6仕上げ

焼き上がったらそのままオーブンの中で冷まし、型から外す。半分の厚さに切り、ベリーのジャムをサンドし、表面に粉糖をふる。

完成

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 冬のレシピ
四季dancyu 冬のレシピ
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833480833
2021年12月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。