北イタリアの家庭料理
儚く消える食感がたまらないスイーツ"ザバイオーネ"

儚く消える食感がたまらないスイーツ"ザバイオーネ"

甘く温かなクリームソースは、他にはない食感と味わいを体験させてくれます。乳製品や米、生ハムといった特産品を使ったしっかり旨味のある北イタリアの家庭料理を、料理家の山内千夏さんに習いました。

“ザバイオーネ”のつくり方

主にピエモンテ州やロンバルディア州でおなじみ。リキュールをきかせたクリームをビスケットにたっぷりとからめて食べると、舌の上でシュワシュワと儚く消えていきます。温かいうちに味わって。

材料材料

卵黄2個分
グラニュー糖25g
マルサラ酒40ml(*1)
サボイアルディ適量(*2)

*1:マルサラ酒の代わりに甘口白ワインのモスカートを使う場合もある。アルコールに弱い人は煮切ってから使ってもよい。

*2:サボイアルディは、ピエモンテ州で親しまれる甘くほろほろと軽い食感のフィンガービスケット。サボイアビスケットとも呼ばれる。輸入食材店などで入手可能。

1卵黄を泡立てる

ボウルに卵黄を入れて溶きほぐし、グラニュー糖を加えて白っぽく、もったりとするまで泡立てたところへ、マルサラ酒を少しずつ加える。

2湯煎する

ボウルを湯煎しながらさらに泡立て、やわらかいカスタード状になるまでやさしく火を入れる。卵黄が熱で固まってしまわないよう、絶えずかき混ぜること。

湯煎する
卵黄にグラニュー糖とマルサラ酒を加えたら、湯煎にかけてもったりとするまでさらに泡立てる。卵黄が固まってしまわないように注意して。

3仕上げ

器に2を入れてサボイアルディを添え、すくいながら食べる。泡がもたないので、食べる直前に仕上げるとよい。

完成

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 冬のレシピ
四季dancyu 冬のレシピ
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833480833
2021年12月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。