北イタリアの家庭料理
オリンピック開催地、イタリア・コルティナ地方の家庭料理。スペックの旨味をまとった「アンペッツォ風ポテト」をつくろう

オリンピック開催地、イタリア・コルティナ地方の家庭料理。スペックの旨味をまとった「アンペッツォ風ポテト」をつくろう

2026冬季ミラノ・コルティナオリンピック・パラリンピックが開催!今回の舞台は、コルティナ・ダンペッツオ地方を中心とした北イタリア。イタリアの北部らしい、素朴でしみじみとおいしい郷土料理がたくさんある場所だ。せっかくなのでこの地方の料理をつくって、五輪の地に思いを馳せながら観戦しよう。

オリンピック開催のコルティナって、どのあたり?

いよいよ2月6日からイタリアで開催される、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック&パラリンピック。ミラノはわかるけれど、コルティナってどこ?と思った人も多いはずだ。

コルティナ・ダンペッツォは、北イタリア、ドロミテ山脈の麓にあり、ウィンタースポーツも盛んで山岳リゾートとしても名高い土地。イタリアの州で言えば水の都ヴェネツィアのあるヴェネト州に属するのだが、オーストリアとの国境にも近く、隣のトレンティーノ・アルト・アディジェ州(南チロル)とほぼ同様の食文化を持つ。
開催地の料理を知れば、オリンピックの応援にもますます力が入るはず!ということで、イタリア料理に造詣の深い料理家の山内千夏さんに、コルティナ・ダンペッツォや周辺で親しまれている料理を教わった。以前にも掲載した北イタリア料理の2品を合わせた7品を、オリンピックの会期中に1品ずつ紹介していくのでお楽しみに。
1回目は、アンペッツォ風ポテト。いわゆるジャーマンポテトのような料理だが、味のポイントは、現地でさまざまな料理に使われる燻製した生ハム、スペック。この風味をまとわせたじゃがいもが、後をひくおいしさなのだ。
「向こうでは“黄色いじゃがいもを使え”と言われるそうです。日本ならキタアカリなどがお薦め」と山内さん。つくり方も簡単なので、まずは開幕の景気付けにこの1皿でぐいっと1杯。選手たちの熱戦を見守ろう。

アンペッツォ風ポテトのつくり方

材料材料 (2~3人分)

じゃがいも中2~3個
スペック50g
赤玉ねぎ1/2個
オリーブオイル大さじ2
適量
黒胡椒適量
スペック
スペックは北イタリアの南チロルを中心に親しまれている、豚もも肉の燻製生ハム。穏やかな薫香と塩気をまとい、旨味もたっぷり。そのままつまみとして楽しめるが、現地では加熱調理にもよく使われている。日本ではスーパーで隣国オーストリア産のものが入手可能。ほかの加工肉で代用する場合は、塩気と旨味を優先するならプロシュットなどの生ハム、薫香を優先するならベーコンを。

1材料を切り、じゃがいもを水にさらす

じゃがいもは皮をむいて厚さ1cmのいちょう切りにし、水にさらして余分なでんぷんを除いて水をきる。スペックは幅1~2cmの短冊状に切る。赤玉ねぎは繊維を断つ方向に厚さ5mmのスライスにする。

材料を切り、じゃがいもを水にさらす

2じゃがいもをゆでる

鍋に湯を沸かして塩少々を入れ、1のじゃがいもを10分ゆでてざるにあげ、水気をきる。

3スペックを焼く

フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、1のスペックを入れてカリッとなるまで焼いていったん取り出す。

スペックを焼く

4野菜を炒める

3のフライパンに2のじゃがいもを入れ、全体にこんがりと焼き色がつくまで炒めたら、1の赤玉ねぎを加えて炒める。

野菜を炒める

5スペックを戻して完成させる

軽くしんなりとしたらスペックを戻し入れ、塩、黒胡椒で味を調える。スペックの塩分を考慮して塩の量は調整を。器に盛り、好みで黒胡椒を振る。

スペックを戻して完成させる
スペックを戻して完成させる
熱々を口に運ぶと、ふわりと鼻をくすぐるスモーキーな香り。カリカリに炒めたスペックの旨味と塩気がしみた、じゃがいもが素朴なおいしさ。シャッキリ感を残した赤玉ねぎもいいアクセントになっている。スペックの脂が少ない分、おなじみのジャーマンポテトよりもさっぱりとした仕上がりだ。ワインもいいけれど、冷たいビールも!

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤菜々子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。