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季節を感じる3種の鯖寿司。京都「食堂おがわ」の妄想料理帖 番外編

季節を感じる3種の鯖寿司。京都「食堂おがわ」の妄想料理帖 番外編

11月号の連載でご紹介した松茸鯖寿司をつくっているうちに、勢い余って(笑)いろんな鯖寿司を考えてしまいました。酢飯に木の芽、赤紫蘇の塩漬け、ゆずの皮を混ぜ込んだ3種類。せっかくなのでご紹介します!

季節の鯖寿司

材料
春は木の芽、夏は赤紫蘇、秋は松茸、冬は柚子の香りで、贅沢な季節の鯖寿司を考案!
酢飯
左から木の芽、赤紫蘇、松茸、柚子の酢飯。

松茸の酢飯は炊き込みご飯に寿司酢を合わせて冷ましていますが、ほかの3種はそれぞれの香りや色を生かしたいので、冷ました酢飯に混ぜ込みました。熱々のご飯に入れてしまうと、色や香りがとんでしまいますからね。すし飯が違うだけなんですがそれぞれに味わいがあって、木の芽は春、赤紫蘇は夏、柚子は冬っぽい味と香りです。これに秋の松茸を入れると鯖寿司四季折々!季節がわりの鯖寿司ですね。

さばく
〆鯖は皮をむいて厚みを半分にし、血合い部分を取り除く。
寿司手順
互い違いに並べた〆鯖の上に酢飯(木の芽)の半分をのせ、平らにならす。
寿司手順
胡麻をふり、残りの酢飯をのせて広げる。
寿司手順
手前から向こう側に布巾ごと巻き、布巾を引っ張って棒状に締める。
寿司手順
さらに巻き簾で巻いて形を整える。
寿司手順
寿司手順
表面に甘酢白板昆布をのせ、食べやすく切って完成!

鯖寿司を形よくつくるポイントは、布巾の引っ張り具合。締め方を調整しながら、巻き簀で形を整えます。最後にのせる白板昆布は甘酢で煮たもので、十円玉をよく洗って入れるときれいな緑色になり、銅の効果で抗菌にもなります。

松茸鯖寿司は贅沢なものなので、おがわで出すのはちょっと無理ですが、他の3種類はやってみてもいいかなと思ってます。寿司の上には、店の鯖寿司にすし飯に使っている椎茸の甘煮を刻んだものをのせました。これをご飯の間に挟んむだけでも美味しいです。

鯖寿司3種のつくり方

材料材料

〆鯖3枚(半身)
木の芽適量
赤紫蘇の塩漬け適量(市販のもの)
柚子の皮適量
★ 【酢飯】
 ├ 米3合
 └ 寿司酢*1100ml強
炒り胡麻適量(白)
甘酢白板昆布*2適量

*1 米酢180ml、砂糖130g、塩30gをひと煮立ちさせて冷ましたもの。
*2 ひと煮立ちさせた甘酢に白板昆布を入れ、そのまま冷ましたもの。

1木の芽をみじん切りにする

木の芽、柚子の皮はみじん切りにする。赤紫蘇は洗って塩分を取り除いて絞り、みじん切りにする。

23種類の酢飯をつくる

米を通常より少なめの水で炊き、約30分以上蒸らす。飯台にご飯を移し、寿司酢を加える。しゃもじでご飯を切るように混ぜ、完全に冷ます。冷めたら3等分して、それぞれに1の木の芽、赤紫蘇、柚子の皮を加えて満遍なく混ぜる。

3さばく

〆鯖は骨抜きで小骨を抜き、裏返して頭のほうから少しずつ皮をむく。皮目を下にしてまな板にのせ、鯖の厚みを半分に切る。背と腹を切り分け、臭みの原因になる血合いを、軽く取り除く。きつく絞った布巾の上に互い違いに並べ、厚みを均一にする。

4胡麻をふる

3種類の酢飯半量をそれぞれ棒状にまとめて3にのせ、指先で広げて胡麻をふる。残りの酢飯を細い棒状にまとめ、上にのせる。

5仕上げ

手前から向こう側に布巾ごと巻き、酢飯を指で押さえながら布巾を引っ張って締める。巻き簾で巻き、形を整える。白板昆布で覆い、8〜10等分に切る。器に盛り、それぞれ木の芽、赤紫蘇、すりおろした柚子(各分量外)をのせる。

完成
それぞれに爽快な香りがついて、豊かな味わいに。何個でも食べられる不動のおいしさだ。

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

店舗情報店舗情報

食堂おがわ
  • 【住所】京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町204
  • 【電話番号】075‐351‐6833
  • 【営業時間】17:30~22:00(L.O.)
  • 【定休日】水曜/最終火曜
  • 【アクセス】阪急京都線「河原町駅」より1分
西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。