酒好きにはたまらない具材で、おむすびをつくりました。ぜひ重箱に詰めて、家族や友人と楽しんでみてください。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
年に一度のお正月だけでなく、重箱を器として、もっと日常的に使ってみてはいかがでしょう。お月見やホームパーティーのとき、おむすびを一面に詰めるだけでも、なんだかごちそう感が出て楽しくなります。蓋ができるのでホコリや虫から守れるし、お呼ばれのときには持ち運ぶことができるのも便利。おむすびの具は、酒粕に漬けたすじこや、味噌に豚肉や泡盛、黒糖などを加えて炒めた油味噌。ご飯のお供として最強なうえ、これまたお酒のつまみにもなり、つくりおきもできますよ。
黒糖のコクのある甘味が酒にもごはんにも合います。
豚バラ肉 | 100g |
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長ねぎ | 10cm(約50g)(白い部分) |
生姜の絞り汁 | 小さじ2 |
A | |
・ 味噌*1 | 50~60g |
・ 泡盛 | 大さじ4 |
・ 黒糖*2 | 10~15g |
*1味噌の塩分によって調整する。
*2量は好みで加減。塊の場合、刻んでおく。
ねぎを細かいみじん切りにする。Aをボウルに入れ、泡立て器で混ぜて溶かす。
豚肉を1cm角に切り、フライパンに入れて弱火にかけ、じっくりと10分ほど炒める。ザルにあげて、油をきる。油はとっておく。
2できった油大さじ1をフライパンに戻し、1を入れて弱火にし、じっくり炒める。香りが強く出てきたら、2を加えてよく練る。
全体がとろりとしてきたら、生姜の絞り汁を加えて全体を混ぜ、火を止める。冷めたら容器に入れ、冷蔵庫で2週間保存可能。
ねっとりと濃厚な旨味が楽しめます。
生すじこ | 1本(半腹) |
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塩 | 大さじ1 |
★ 粕床 | |
・ 米麹味噌 | 700g |
・ 生酒粕* | 300g |
・ 粗糖 | 40g |
・ みりん | 90ml |
・ 淡口醤油 | 20ml |
*なければ板粕を水に浸して味噌くらいのやわらかさにする。
みりんはアルコールを軽くとばし、粗熱を取っておく。
水2Lに塩を溶かし、冷蔵庫で冷やす。
ボウルに2の半量を入れ、生すじこをやさしく泳がせるように洗う。菜箸や竹串で、黒い筋のような血管を丁寧に取り除き、ザルにあげる。
残りの塩水と3をボウルに入れ、指で皮をやさしく開いていく。汚れがあれば取り除き、ザルにあげて水気をよくきる。
粕床の材料を混ぜ合わせ、半量を密閉容器に入れ、キッチンペーパーをのせる。その上に4のすじこを広げて入れ、キッチンペーパーで包む。その上から残りの粕床を加えて冷蔵庫におく。
1~3日たち、好みの塩加減になったら粕床からすじこを引き上げる。ラップにぴったり包み、冷蔵庫で1日ねかせて味をなじませる。冷蔵で1週間、冷凍で1ヶ月は日持ちする。
炊きたてのご飯 | 適量 |
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油味噌 | 適量 |
すじこの粕漬け | 適量 |
海苔 | 適量 |
ご飯4~5に対して油味噌が1くらいの割合で、手水をつけてむすぶ。握ったら海苔を巻く。刻んだ小ねぎや山椒の葉を加えたり、えごまや青じその葉でくるんでもおいしい。
ご飯100gに対して粕漬けにしたすじこ15g程度で、手水をつけてむすぶ。握ったら海苔を巻く。
木の重箱につめる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「秋のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也