甘じょっぱいタレをまとった鰯は、ご飯との相性が抜群です。一杯に二尾つかった、迫力満点の丼ものです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
サイズも形も迫力のある合鹿椀は、桃山時代から江戸初期にかけて、石川県能登町の合鹿地方でつくられていたもの。輪島塗のルーツともいわれ、床に直接、器を置いて食事をしていた時代の名残のような、大きな高台をもつおおらかな形が特徴です。お雑煮を入れればハレの雰囲気になりますが、お昼ごはんに食べるラーメンやうどんのような、ケの食事シーンにもすんなりなじむから使いやすい。大ぶりサイズなので、鰯の蒲焼きもどーんと2尾のせられます。鰯のほか、秋刀魚や鯵でつくっても美味。
鰯(刺身用/三枚におろしたもの) | 4尾(*) |
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小麦粉 | 適量 |
サラダ油 | 大さじ1 |
ご飯 | 適量 |
粉山椒 | 適量 |
わさび | 適量 |
★ たれ | |
・ 酒 | 大さじ4 |
・ みりん | 大さじ1/2 |
・ 砂糖 | ひとつまみ |
・ 醤油 | 大さじ1/2 |
*鰯は幅が広く丸々と太っていて、腹の色がきれいな銀色のものを選ぶ。
バットにキッチンペーパーを敷き、鰯をのせる。上にもキ ッチンペーパーをのせて鰯を挟み、しばらくおく。
鍋に酒とみりんを入れて加熱し、アルコールをとばす。砂糖と醤油、あれば中骨を加え、ひと煮立ちしたら火を止める。
鰯に小麦粉を薄くまぶす。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、皮面を下にして入れる。両面に焼き色がつくまで焼く。
2のたれを加えて強火にし、からめながらさっと煮詰める。炊きたてのご飯を器に盛り、3をのせ、残ったたれを回しかける。好みで粉山椒をふり、わさびを添える。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 秋のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也