大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
基本からしっかりつくる"太巻き寿司"

基本からしっかりつくる"太巻き寿司"

お祝いの席にぴったりの華やかな太巻きです。一つ一つの具材を丁寧に仕上げることで、格段に美味しくなりますよ。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

”太巻き寿司”のつくり方

一度はつくってみたい太巻き寿司。定番の具は卵焼き、そして干し椎茸とかんぴょうをしっかり味に煮たもの。塩もみしたきゅうりと香りのいい三つ葉が入れば完璧。さらに、甘酢に漬けたエビをプラスして、色味も鮮やかなごちそう海苔巻きに。

太巻き寿司ひと口メモ
[巻きすのこと]
巻きすは細長く切り揃えられた竹を木綿糸で編んである、日本発祥の調理道具。多くは巻き寿司をつくるときに使いますが、卵焼きなどの形を整えるのにも便利です。竹の表面側(ツヤのあるほう)に食材をのせて巻きます。

[焼き海苔のこと]
海苔巻きに使うサイズは「全型」といって約21×19㎝。使う用途によっていろいろな形にカットされています。また、海苔の単位は「帖」(じょう)で、全型の海苔10枚のことを表します。そして海苔には表と裏があります。つるつるしていて光沢のあるほうが表、ざらざらしている面が裏です。巻き寿司をつくる場合、裏側にご飯をのせて巻くときれいに仕上がります。

材料材料 (4本分)

★ 寿司飯
・ 米3合
・ 水適量(炊飯器の目盛りまで)
・ 酢1/2カップ
・ 砂糖大さじ3
・ 塩小さじ1
★ 干し椎茸とかんぴょうの煮物
・ 干し椎茸8個
・ かんぴょう15g
・ 椎茸のもどし汁とだし汁合わせて2カップ
・ 味醂大さじ4
・ 砂糖大さじ4
・ 醤油大さじ3
★ 卵焼き
・ 卵3個
・ だし汁大さじ3
・ 砂糖大さじ2と1/2
・ 塩少々
・ サラダ油適量
★ エビの甘酢漬け
・ 小エビ16本
・ 酢大さじ4
・ 水大さじ2
・ 砂糖大さじ1
・ 塩少々
★ きゅうりの塩もみ
・ きゅうり1本
・ 塩小さじ1/2
糸三つ葉1束
焼き海苔4枚
材料
寿司飯は1本分250gに計量、具をバットに並べておくと作業しやすい。

1寿司飯をつくる1

器に酢、砂糖、塩を入れて混ぜ、塩を溶かす。

2寿司飯をつくる2

ご飯は普通に炊き、飯台に炊きたてのご飯を入れて寿司飯1の調味料をふり入れ、木しゃもじで切るようにして混ぜ、粗熱を取る。

3卵焼きをつくる

卵液をつくって卵焼きをつくり、巻きすにとって冷まし、縦4等分の棒状に切る。

4エビの甘酢漬けをつくる1

エビは殻をむいて背ワタを取り、水で洗い、真っすぐになるように竹串を刺す。

エビの甘酢漬けをつくる1

5エビの甘酢漬けをつくる2

熱湯に塩、酢各少々(分量外)を入れ 、エビを入れてゆで、ザルにあげる。

5エビの甘酢漬けをつくる2

6エビの甘酢漬けをつくる3

バットに酢、水、砂糖、塩を入れて混ぜエビを入れてそのまま冷まし、竹串を抜く。

エビの甘酢漬けをつくる3

7きゅうりと三つ葉の下準備1

きゅうりは上下を少し切り落として縦4等分に切り、バットに入れて塩をまぶして10分ほどおき、水で洗って水気を拭く。

きゅうりと三つ葉の下準備1

8きゅうりと三つ葉の下準備2

糸三つ葉は根元を切り落とし、熱湯に入れてさっとゆでて冷水にとり、水気を絞る。

9干し椎茸とかんぴょうの煮物をつくる1

干し椎茸はボウルに入れて水を注ぎ、軽く重しをして冷蔵庫に一晩おいてもどし、軽く水気を絞って石突きを切り落とす。かんぴょうは水で洗い、塩少々(分量外)をまぶしてもみ、水で洗ってぬるま湯に10分ほど浸して水気を絞る。

10干し椎茸とかんぴょうの煮物をつくる2

共に鍋に入れてもどし汁、だし汁を加え、中火にかけて煮立ってきたら味醂、砂糖を入れる。落とし蓋をしてさらに蓋をして10分ほど煮る。

11干し椎茸とかんぴょうの煮物をつくる3

醤油を加えて同様にして10分煮てそのまま冷まし、椎茸は幅1cmに切る。

12巻く1

巻きすに海苔の裏を上にして縦長に置く。寿司飯を向こう2cm、手前1cmほど残して酢水で濡らした指で全体に広げ、横に具を置く。

巻く1

13巻く2

指で海苔に水少々を塗る。

巻く2

14巻く3

手前の巻きすを両手で持ち上げて具を指で押さえながら、向こうに一気に巻き込む。

巻く3

15巻く4

両手でしっかり押さえながら巻いていき、巻き終わりを下にしてぎゅっと押さえて形づくる。

巻く4
完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“ろ”
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“ろ”
A4変型判(84頁)
ISBN:9784833477673
2019年02月27日発売/770円(税込)

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。