大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
スパイスで格上げする"焼き豚"

スパイスで格上げする"焼き豚"

漬け汁に一晩漬けむ丁寧な下準備で、噛むほどに旨味が増す焼き豚ができ上がります。スパイス効果で香りもばっちり!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

“焼き豚”のつくり方

塊でつくる焼き豚はダイナミックに豚肉のおいしさを堪能できます。バラ肉やもも肉でつくるレシピも多いですが 、旨味たっぷりの肩ロース肉がお薦めです。漬け汁に一晩漬け込んで中までしっかり味をしみ込ませてからオーブンで焼きます。香り豊かな八角や五香粉(ウーシャンフェン)などを入れるとワンランク上の味わいに。漬け込んだ状態、または焼いてからも冷凍保存できるので、まとめてつくってストックしておくと便利です。冷蔵なら4~5日、冷凍なら1ヶ月ほど保存可能。

焼き豚ひと口メモ
塊肉を焼くと、肉の端や一部分が反り返ってくることがあります。そうなると形もくずれ 、均一に火が入らない原因になってしまいます。ネットで巻いた肉ならばきれいな形を維持しながら、均一に焼き上げられます。ネットつきの肉が売られていないときはタコ糸で巻けば大丈夫。縦に1本糸を渡してから横にぐるぐると巻いていくだけ。肉用のネットも市販されています。

材料材料 (つくりやすい分量)

豚肩ロース肉(塊)400g×2
★ 漬け汁
・ 醤油大さじ4
・ 塩小さじ1/2
・ 味醂大さじ2
・ にんにく1/2片分(すりおろし)
・ 生姜汁大さじ1
・ シナモンスティック1/2本
・ 八角1/2個
・ 五香粉小さじ1/2(あれば)
・ 胡椒少々
・ 生姜の皮適宜
・ 長ねぎ(青い部分)適宜
★ 薬味
・ 長ねぎ(白髪ねぎ)1/2本分
・ 香菜適宜

1豚肉の下準備

豚肉に竹串を10回ほど刺して味をしみ込ませやすくする。

豚肉の下準備

2下味をつける

保存袋に漬け汁の材料と豚肉を入れ 、余分な空気を抜いて一晩ほど冷蔵庫に入れて下味をつける。

下味をつける
時間が肉をおいしくしてくれます!

3オーブンの天板に豚肉を並べる

オーブンの天板にオーブンペーパーをのせ、豚肉を間隔をあけて並べる。

オーブンの天板に豚肉を並べる

4長ねぎの芯を取り出す

縦に1本切り込みを入れ、芯を取り出す。

長ねぎの芯を取り出す
長ねぎの芯を取り出す

5長ねぎを端から切る

端から切っていく。長さを出すために斜めに切るのがポイント。切り終えたら水にさらしてパリッとさせてから水気をきる。

長ねぎを端から切る

6焼く

180℃に熱したオーブンに入れる。途中漬け汁を刷毛で塗りながら、60分ほど焼く。焼き豚はネットを取ってそのまま冷まし、食べやすくスライスして皿に盛り、薬味を添える。

焼く
完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の ろ
手ほどきdancyu 基本の ろ
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“ろ”

A4変型 判( 84 頁)
ISBN: 9784833477673
2019年02月27日発売 / 770円(税込)

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。