大原千鶴さんのすりながしのいろは
ビーツの甘味が広がる"ビーツのすりながし"

ビーツの甘味が広がる"ビーツのすりながし"

目にも鮮やかな赤紫のスープの正体は根菜のビーツ。食べ方に迷っているなら、ぜひすりながしにしてみてください。浮かべるラムボールには、ビシッとにんにくとパクチーの風味をきかせるのもポイントです。すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。

“ビーツのすりながし”のつくり方

色を見るとびっくりのスープです。
ビーツは蒸し焼きにするとホクホクと甘味が増して、口当たりもなめらかになります。
個性的なので、ちょっとパンチのあるエスニックな具材がいいと思い、ラムのミートボールをトッピングしました。

材料材料 (2人分)

ビーツ1個
チキンスープ1カップ
A
・ 塩小さじ1/4
・ オリーブオイル小さじ1
ラム肩肉100g
にんにく1/2片
パクチー1枝
B
・ 片栗粉小さじ1
・ 胡麻油小さじ1
・ 花椒塩小さじ1/2
・ 塩少々
オリーブオイル小さじ1
粗挽き黒胡椒少々

1ビーツを焼く

ビーツを濡らしたクッキングペーパー、アルミホイルの順に包み、200℃に温めておいたオーブンに入れて40~50分焼く。

ビーツを焼く

2ブレンダーにかける

1の粗熱が取れたらビーツを取り出し、皮をむいて一口大に切る。チキンスープとともにハンドブレンダー(あるいはミキサー)にかけてなめらかにし、Aを加えて混ぜ合わせる。

ブレンダーにかける

3ラムをミンチにする

ラムは包丁で細かく切ってミンチ状にし、にんにくとパクチーは細かく刻む。ボウルに入れ、Bを加えてよく練り、6等分にする。

4ラムを焼く

フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、③を丸めながら並べ入れ、蓋をして2分焼く。途中上下を返し、蓋をして2分焼き、ラムに火を通す。

5盛りつける

②を温めて器に盛り、④のラムボールをのせて胡椒をふり、あればパクチーの葉(分量外)をあしらう。

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。

この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。

技あり!dancyuスープ
技あり!dancyuスープ
A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。