大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
とろみのついたあんと調和する"茶碗蒸し"

とろみのついたあんと調和する"茶碗蒸し"

茶碗蒸しは、蒸し器がなくてもフライパンでつくることができます。だしを効かせたあんをかければ、立派な和食の逸品に。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

“茶碗蒸し”のつくり方

卵にだし汁を加えた、だし風味の卵焼きがだし巻き卵だとすると、だし汁を卵で固めるというイメージが茶碗蒸し。卵の分量の3倍のだし汁で溶きのばしてつくります。同じ材料でも、まったく違う料理になるから不思議ですね。蒸す作業はどうも敬遠されがちですが 、特別な鍋や蒸し器がなくても大丈夫 。フライパンで舌ざわりがなめらかな茶碗蒸しがつくれます。

茶碗蒸しひと口メモ
茶碗蒸しは卵とだし汁の割合がポイントになります。卵の分量の3倍のだし汁がこの本で紹介しているレシピです。卵の大小によって仕上がりがゆるくなったり固めになったりするので要注意。この本で使っている卵はMサイズで、1個の分量は約50g。卵の大きさでだし汁を加減するテクニックを覚えておくと便利です。

材料材料 (4人分)

★ ★卵液
・ 卵2個
・ だし汁1と1/2カップ
・ 醤油少々
・ 塩小さじ1/5
★ エビきのこあん
・ エビ80g
・ しめじ60g
・ だし汁1カップ
・ 酒大さじ1
・ 味醂大さじ1
・ 醤油小さじ1/2
・ 塩少々
★ 水溶き片栗粉(混ぜ合わせる)
・ 片栗粉小さじ2
・ 水大さじ1と1/2
おろしわさび適量

1だし汁、醤油、塩を混ぜる

ボウルにだし汁を入れ、醤油、塩を加えて混ぜて溶かし、冷ます。

だし汁、醤油、塩を混ぜる

2卵をほぐす

ボウルに卵をほぐす。

卵をほぐす
泡立てないように箸の先はボウルの底につけて混ぜて!

3混ぜる

卵に1を少しずつ加えて混ぜる。

混ぜる

4こす

万能こし器でこす。

こす
なめらかな舌ざわりはこのひと手間で!

5卵液を流し入れる

容器に卵液を流し入れて表面の泡をスプーンですくい取る。

卵液を流し入れる

6蒸す

フライパンに深さ2cmほどの水を入れて煮立てて、1を入れて竹串、又は菜箸などを挟みながら蓋をして中火で2分、弱火にして12~15分蒸す。

蒸す
蒸し器がなくても大丈夫!

7竹串を刺して状態を見る

竹串を刺して透明な汁が出れば蒸し上がり。

竹串を刺して状態を見る

8あんの材料の下準備

エビは背ワタのあるものは取り、洗って水気を拭く。幅1cmに切ってから軽くたたき、ボウルに入れて酒をふり、混ぜる。しめじは根元を切り落とし、長さを2~3等分に切って根元のほうをほぐす。

あんの材料の下準備

9煮る

鍋にだし汁を煮立ててしめじを入れ 、再び煮立ってきたら味醂 、醤油、塩を加えて混ぜ、蓋をして弱火で5分ほど煮たところにエビを加える。

煮る

10とろみをつける

エビに火が通ったら、水溶き片栗粉をひと混ぜして加えてとろみをつける。茶碗蒸しにエビきのこあんをかけ、おろしわさびをのせる。

とろみをつける
水溶き片栗粉は煮立ったところに入れて!
取り出す

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の ろ
手ほどきdancyu 基本の ろ
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“ろ”

A4変型 判( 84 頁)
ISBN: 9784833477673
2019年02月27日発売 / 770円(税込)

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。