
茶碗蒸しは、蒸し器がなくてもフライパンでつくることができます。だしを効かせたあんをかければ、立派な和食の逸品に。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
卵にだし汁を加えた、だし風味の卵焼きがだし巻き卵だとすると、だし汁を卵で固めるというイメージが茶碗蒸し。卵の分量の3倍のだし汁で溶きのばしてつくります。同じ材料でも、まったく違う料理になるから不思議ですね。蒸す作業はどうも敬遠されがちですが 、特別な鍋や蒸し器がなくても大丈夫 。フライパンで舌ざわりがなめらかな茶碗蒸しがつくれます。
| ★ ★卵液 | |
|---|---|
| ・ 卵 | 2個 |
| ・ だし汁 | 1と1/2カップ |
| ・ 醤油 | 少々 |
| ・ 塩 | 小さじ1/5 |
| ★ エビきのこあん | |
| ・ エビ | 80g |
| ・ しめじ | 60g |
| ・ だし汁 | 1カップ |
| ・ 酒 | 大さじ1 |
| ・ 味醂 | 大さじ1 |
| ・ 醤油 | 小さじ1/2 |
| ・ 塩 | 少々 |
| ★ 水溶き片栗粉 | (混ぜ合わせる) |
| ・ 片栗粉 | 小さじ2 |
| ・ 水 | 大さじ1と1/2 |
| おろしわさび | 適量 |
ボウルにだし汁を入れ、醤油、塩を加えて混ぜて溶かし、冷ます。

ボウルに卵をほぐす。

卵に1を少しずつ加えて混ぜる。

万能こし器でこす。

容器に卵液を流し入れて表面の泡をスプーンですくい取る。

フライパンに深さ2cmほどの水を入れて煮立てて、1を入れて竹串、又は菜箸などを挟みながら蓋をして中火で2分、弱火にして12~15分蒸す。

竹串を刺して透明な汁が出れば蒸し上がり。

エビは背ワタのあるものは取り、洗って水気を拭く。幅1cmに切ってから軽くたたき、ボウルに入れて酒をふり、混ぜる。しめじは根元を切り落とし、長さを2~3等分に切って根元のほうをほぐす。

鍋にだし汁を煮立ててしめじを入れ 、再び煮立ってきたら味醂 、醤油、塩を加えて混ぜ、蓋をして弱火で5分ほど煮たところにエビを加える。

エビに火が通ったら、水溶き片栗粉をひと混ぜして加えてとろみをつける。茶碗蒸しにエビきのこあんをかけ、おろしわさびをのせる。



身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ