ハヤシコウの週末パスタ
半冷製の温度感が美味しい"メッツァクルダ"

半冷製の温度感が美味しい"メッツァクルダ"

ムチムチ食感の手打ちパスタを使った、半冷製のパスタです。ヨーロッパ特有のぬるい温度感が美味しい、不思議な感覚の一品です。パスタが主食のデザイナー・ハヤシコウさんに、パパっとつくれるシンプルなパスタを習いました。この週末のランチにつくってみませんか?ハヤシさんのパスタは、優しい味わいなので、お好みで調味してみてください。

ぬるいが旨い

日本では蕎麦に素麺と冷たい麺料理がポピュラーですが、イタリアでは“冷たい”パスタっていうのが無いんです。パスタを混ぜてから冷ましたサラダというのはあるけれど、パスタを流水で洗うとかが無い。今回のレシピは、茹でたパスタを加熱しないソースに和える料理で、冷たいパスタというよりは、半分冷たいパスタです。この半分冷たいっていう温度感が、素材の香りや味わいを閉じ込めないのでとても美味しい。

今回はセロリ、ミニトマト、オリーブですが、加熱しないで美味しい食材なら何でもOK。モッツァレラチーズもいいし、ルッコラやカニカマも美味しいですよ。手打ちのパスタが面倒なら、ペンネやフジッリなどのショートパスタを使うのもアリ。一度食べたら、半分生(具材は生、パスタは加熱)のパスタの面白さにきっと気付くはず!

合わせるワインはすっきりとした白ワインが良くて……、北イタリアはピエモンテ州の「ガヴィ」などが好相性です。コルテーゼ種100%からつくられるこの白ワインはさっぱりとした柑橘系の風味を持ち、セロリやトマトといった生野菜や、魚にレモンを絞って、といったシンプルな料理によく合います。

“メッツァクルダ”のつくり方

材料材料 (2人分)

★ カヴァテッリ(手打ちパスタ)
・ 小麦粉320g
・ お湯160ml
・ オリーブオイル16g
・ 塩一つまみ
黒オリーブ6個
セロリ30g
ミニトマト4個
アンチョビ2枚
酢ケイパー6g
ビネガー適量
オリーブオイル15ml
12g

1パスタをつくる

ボウルに小麦粉、塩を入れ、オリーブオイルも回し入れる。お湯もすべて回し入れたら、フォークなどで混ぜる。全体にお湯がまわり少し冷めたら手でこねはじめる。

パスタをつくる
パスタをつくる
パスタをつくる

2しっかり練る

体重をかけてしっかり10分間練ったら、丸くまとめてラップをし、1時間休ませる。10分練ることで、仕上がりがなめらかになる。

しっかり練る
しっかり練る
しっかり練る

3パスタの形に成形する

寝かせた生地のラップを外し、直径1cmほどの棒状に伸ばす。ペティナイフで0.8mmずつに切り分けたら、丸く成形する。バターナイフに持ち替え、生地を押しながら横にスライドし、写真のような形に成形する。

パスタの形に成形する
休ませて艶が増した生地。
パスタの形に成形する
棒状に伸ばす。
パスタの形に成形する
ナイフで切り分ける。
パスタの形に成形する
丸める。
パスタの形に成形する
ナイフで押し付けながらスライドして成形する。
パスタの形に成形する
貝のような形に。

4パスタをゆでる

鍋に3Lの湯を沸かし、パスタと塩を入れる。半冷製のパスタなので、塩分濃度を少し高くし、およそ9分ゆでる。パスタの大きさによって8~10分とゆで時間に幅があるので、食べて確かめてみよう。

5具材の下準備

セロリは1.5cm角に、ミニトマトは1/4に、オリーブは1/2に切る。すべての具材をボウルに入れ、アンチョビ、酢ケイパーも加え、オリーブオイルを回しかけて混ぜ合わせる。

具材の下準備

6パスタを和える

ゆであがったパスタを5のボウルに入れ和える。ビネガーも加えて味見をし、足りなければ塩、オリーブオイルで味を整える。

パスタと和える

7盛りつける

器に盛ったら完成。

完成

教える人

ハヤシコウ

ハヤシコウ

人呼んで“日本人初のイタリア人”。イタリアを愛し、イタリアに魅せられて早28年。トスカーナ州ルッカでレストランのキッチンを、ロンバルディア州ソンドリオでレストランのサービスを、マルケ州ウルビーノで美術学校で印刷技術と広告デザインを学び、現在はデザイナーとして活躍しながら、神奈川県・小田原のイタリア料理店「クインディチ」に立つ日もある。

撮影:海老原俊之 構成:編集部