出来立てはもちろん、味が深まる翌日の味わいも美味しい筑前煮。副菜としても、お弁当のおかずとしても重宝します。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
福岡県筑前北部、西部にあたる筑前地方でよくつくられる筑前煮は、地元では「がめ煮」とも呼ばれ、いまや全国でも人気のメニューです。数種の野菜とこんにゃく、そして鶏肉でつくる煮物は彩りもよく、食べごたえもあるので人が集まるときにもおすすめです。
鶏もも肉 | 1枚(300g) |
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こんにゃく | 1枚 |
干し椎茸 | 6個 |
ごぼう | 100g |
里芋 | 大6個 |
にんじん | 1本 |
絹さや | 15枚 |
れんこん | 200g |
生姜 | 小1片分(せん切り) |
塩 | 適量 |
サラダ油 | 大さじ1 |
酒 | 大さじ2 |
だし汁と椎茸のもどし汁 | 合わせて2/3カップ |
味醂 | 大さじ3 |
砂糖 | 大さじ1 |
醤油 | 大さじ3~4 |
干し椎茸は水で洗ってボウルに入れ、たっぷりの水を加えて浮かないように皿などをのせ、一晩(10~12時間)冷蔵庫でもどし、軽く絞って軸を切り落とし、半分のそぎ切りにする。
こんにゃくは半分に切り、厚さを半分に切り、表面に斜め格子の切り込みを入れる。6等分に切り、塩小さじ1をまぶしてもみ、水で洗って鍋に入れ、ひたひたの水を加えて中火にかける。煮立ってきたら、火を弱めて5分ほどゆでてザルにあげ、ゆで汁をきる。
ごぼうは皮をこそげて厚さ1cmの斜め切りにして水で洗い、鍋に入れてかぶるくらいの水を加えて中火にかける。煮立ってきたら、蓋をして弱火で10~12分ゆで、ザルにあげてゆで汁をきる。
れんこんは皮をむいて厚さ1cmの半月切りにして水でさっと洗い、水気を拭く。
里芋は上下を切り落として縦に皮をむき、長さを半分に切る。ボウルに入れて塩小さじ1をふり、手でもみ、水で洗って水気を拭く。
にんじんは皮をむいて一口大の乱切りにする。
鶏肉は3~4cm角に切る。
絹さやは筋を取り、塩少々を入れた熱湯でゆで、冷水にとって冷まし、水気を拭く。
フライパンにサラダ油を熱して鶏肉を入れ、中火で両面を焼きつける。
椎茸、こんにゃく、ごぼうを加えて炒める。
全体に油が回ったら、絹さや以外の残りの野菜、生姜を加えて炒める。
酒をふり入れてだし汁と椎茸のもどし汁を加える。
煮立ってきたら、味醂、砂糖を加えて蓋をして弱火で8分ほど煮る。
醤油を加えて混ぜ、蓋をしてさらに8~10分煮て、最後に絹さやを加えてひと煮する。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:原ヒデトシ