酒肴家のとっておき
濃厚な旨味が広がる"穴子の煮こごり"

濃厚な旨味が広がる"穴子の煮こごり"

風味豊かな江戸風の煮もの料理はいかがでしょうか?手早くできて、酒がすすむ大人の「煮もの」です。自家製調味料が生み出す、酒飲みのつぼを押さえた傑作おつまみを、酒肴家・稲垣知子さんに教えてもらいました。

“穴子の煮こごり”のつくり方

純米だし醤油の旨味たっぷりの穴子の煮こごり。燗酒と合わせると、すべてが溶けて口の中が幸せになる。熱を加えて卵とじにしてもおいしい。

材料材料 (つくりやすい分量)

開いた生穴子2尾(おろした状態で1尾70g程度のもの)
1カップ
純米だし醤油大さじ2
本味醂大さじ1
生姜1/3片

1穴子の下ごしらえ

穴子は皮目に熱湯をかけ、白くなったらすぐに氷水にとる。くさみの原因になる皮目のぬめりを、包丁の背などでしっかりとこそげ取り、キッチンばさみで背びれなどを切り落とし、半分に切る。

2煮汁をつくる

穴子の大きさに合う小さめの鍋に水、純米だし醤油、味醂を入れてひと煮立ちさせ、穴子を加える。

3炊く

沸騰させてアクが出たら取り、落とし蓋をして弱火で30分ほどじっくりと炊く。

4生姜を加える

穴子がやわらかくなったら、薄切りにした生姜2枚を加えてひと煮立ちさせる。味見をして、味が薄いようなら落とし蓋をはずし、火力を強めて煮汁を詰める。

5冷やす

煮上がったら生姜は取り除き、そのまま冷まして冷蔵庫に入れる。

6仕上げ

だしが煮こごりになるほど冷えたら、一口大に切って盛りつけ、針生姜をあしらう。

完成

教える人

日本酒と器を愛してやまない酒肴家、料理研究家。漢方薬膳の効能を生かした体に優しい料理も得意としている。著書に『おかずおつまみ』(文化出版局)、『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)。

稲垣知子 酒肴家

日本酒と器を愛してやまない酒肴家、料理研究家。漢方薬膳の効能を生かした体に優しい料理も得意としている。著書に『おかずおつまみ』(文化出版局)、『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)。

※この記事の内容は、「技あり!dancyu おつまみ」に掲載したものです。

技あり!dancyuおつまみ
技あり!dancyuおつまみ
A4変型 判( 96 頁)
ISBN: 9784833477208
2018年07月31日発売 / 864円(税込)

文:山内聖子 写真:三浦英絵

山内 聖子

山内 聖子 (呑む文筆家・唎酒師)

公私ともに17年以上、日本酒を飲み続け、全国の酒蔵や酒場を取材し、「dancyu」や「散歩の達人」など数々の週刊誌や月刊誌などで執筆。日本酒イベントやプロに向けたセミナーの講師としても活動している。著書に『蔵を継ぐ』(双葉社)。ただいま、二作目の日本酒本を執筆中。