大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
ふんわりと仕上がる"豚肉の生姜焼き"

ふんわりと仕上がる"豚肉の生姜焼き"

家庭でつくる生姜焼きを美味しくするコツは、下味の漬け時間にあります。ぜひ、ふんわりとジューシーな生姜焼きを堪能してください。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

”豚肉の生姜焼き”のつくり方

生姜の香りと辛味が肉のくさみを消し、肉の脂っぽさも解消してくれます。
甘辛味も食欲をそそる日本が生んだ画期的な家庭料理です。生姜の香りと辛味がこの料理の決め手になるので市販品のおろし生姜を使わずに、生の生姜をおろして加えてください。断然、おいしく仕上がります。そして、ふんわりジューシーな肉に仕上げるコツをご紹介しましょう。

[豚の生姜焼きひと口メモ]
肉の旨味を逃さずにふんわりジ ューシーな仕上がり。これが生姜焼きの理想形。肉が縮れたようになってしまった、とか肉がパサパサになってしまった、という少し残念なことにならないために……。
まず、下味をからめてから時間をあまりおかないこと。適したタイムは10分。それ以上おいてしまうと、調味料の塩分によって肉がかたくなってしまいます。そして、フライパンに肉を1枚ずつ広げながら入れること。くしゃくしゃのまま肉を入れると、その形のまま固まって焼けてしまいます。ということは、フライパンの大きさにもよりますが、一度に焼かずに、数回に分けて焼くこともポイントになりそう。
もうひとつの大切なポイントは下味をつけた残りの汁は焼くときには使わないこと。肉のくさみが出ているので、仕上げの調味料は新たなもので。これでスッキリした味に仕上がります。

材料材料 (2人分)

豚ロース肉300g(生姜焼き用)
★ 下味用
・ 酒大さじ1
・ 醤油大さじ1/2
・ 生姜汁小さじ1
サラダ油大さじ1
大さじ2
★ 調味料(混ぜ合わせておく)
・ 醤油大さじ1と1/2~2
・ 味醂大さじ2
・ 砂糖大さじ1/2
生姜1片分(すりおろし)
キャベツ100g

1筋を切る

豚肉は1枚ずつ広げてまな板に置き、脂身と赤身肉の境目に包丁の先で切り込みを入れて筋を切る。それぞれの境目に3~4ヶ所がベスト。

筋を切る

2下味をつける

バットに下味の材料を入れて混ぜ、豚肉を広げながら入れて、全体にからませながら10分ほどおく。

下味をつける

3広げながらフライパンに置く

フライパンにサラダ油を中火で熱し、豚肉を1枚ずつ広げながら入れていく。

広げながらフライパンに置く

4返す

しっかり焼き色がついたら順に返す。

返す

5取り出す

焼けた順にいったん取り出す。

取り出す

6酒をふる

全部焼けたらフライパンに戻し入れ、酒をふる。これもジューシーに仕上げるポイントだ。

酒をふる

7調味料を加える

混ぜ合わせておいた調味料を回し入れる。

調味料を加える

8絡める

フライパンを揺すりながら、調味料を全体にからめていく。

絡める

9仕上げ

仕上げに生姜のすりおろしを加えて全体にからめ、キャベツを盛った器に汁ごと盛る。

仕上げ
完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の い」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の い
手ほどきdancyu 基本の い
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“い”

A4変型判(88頁)
ISBN:9784833477628
2019年1月28日発売/770円(税込)

文:中村裕子 写真:松本祥孝

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。