大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
カリッとジューシーな"鶏のから揚げ"

カリッとジューシーな"鶏のから揚げ"

揚げ物というとちょっとつくるのが大変な印象がありますが、ひとつひとつ丁寧に工程を追っていけば、失敗せずに美味しく仕上がります。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

”鶏のから揚げ”のつくり方

「とりから」の愛称で多くの人に愛される家庭料理。もともとは中国の伝統料理である鶏を揚げたひと皿にヒントを得て、日本のレストランで考案されたもので、外食の筆頭にあげられるメニューだったとか。
いわゆる「ごちそう」であったこの料理は、時を経て、今や夕食に、お弁当にと絶大なる人気を誇る日常のおかずになりました。老若男女に長く愛されている料理だからこそ、自宅で手づくり。
表面はカリカリ、中はじんわりとジューシーな揚げたてを頬張る幸せを噛みしめてください!

[鶏のから揚げひと口メモ]
●フライパンで気楽に揚げてください。
フライパンに揚げ油を入れて中火にかけます。火が強いと炎が油と近くなって危険なので、中火が鉄則。
●油は中温が基本。
油を混ぜて温度を均等にしてから乾いた菜箸を油に入れ、細かい泡がシュワシュワとまっすぐ出る状態が中温です。170~175℃。
●後片づけは油が冷める前に。
油は温度が下がると固まって取れにくくなるので、はねた油は揚げ終わったと同時にさっとひと拭き。使った油は次の揚げ物や炒め物などに使い回せます。

材料材料 (2~3人分)

鶏もも肉600g
★ 下味用
・ 酒大さじ1
・ 醤油大さじ1
・ 生姜汁小さじ1
・ 片栗粉大さじ3
揚げ油適量
レモン適量(くし形切り)

1鶏肉をカットする

鶏肉は縦半分に切ってからそれぞれを3等分する。

鶏肉をカットする

2下味をつける

ボウルに入れて下味用の材料を加えていく。

下味をつける

3もみ込む

手でもむようにしながら下味をなじませる。

もみ込む

4ねかせる

そのまま30分おいて下味をつける。

ねかせる

5水気をふき取る

下味がしみ込んだ鶏肉はキッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取ること。これをすれば、片栗粉が薄くつき、表面カリカリのから揚げになる。

水気をふき取る

6片栗粉をつける

片栗粉を全面につけたら、二つを持 って軽くぶつけ合って余分な粉をはたき落とす。これも、片栗粉がボタッとしない軽いから揚げにするポイント。

片栗粉をつける

7揚げる

揚げ油を中温(170~175℃)に熱して鶏肉を入れる。一度にたくさん揚げると油の温度が下がってしまうので、表面にすき間があるくらいを目安に2回に分けて揚げる。

揚げる

8返す

2~3分たったところで鶏肉を返し、さらに2~3分揚げる。

返す

9仕上げ

泡が細かくなってパチパチと弾ける音が軽快になったら火をやや強めて油を高温にする。温度が高くなると油がさらりとするので、余分な油が鶏肉から落ちて軽い仕上がりになる。残りも同様に揚げて器に盛り、レモンを添える。

完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の い」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の い
手ほどきdancyu 基本の い
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“い”

A4変型判(88頁)
ISBN:9784833477628
2019年1月28日発売/770円(税込)

文:中村裕子 写真:松本祥孝

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。