ふんわりカリッと焼き上がったせせりとアボカドは、見た目も栄養面でもバランスのとれた組み合わせ。つくり置いた自家製のピリ辛だれがあると、どんな素材でもあっという間にあてになります。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、この時季ならではのおつまみを教えていただきました。
せせりは鶏の首回りの肉でネックとも言われ、ジューシーでプリッとした弾力のある肉質。柔らかい食感のアボカドと合わせてピリ辛だれを絡めると、ますますお酒を誘うおつまみとなります。せせりは、油を使わずに鶏肉自身の脂を使って動かさないように両面カリッと焼きます。
仕上げにかけるピリ辛だれは、豆板醤とにんにくの奥深い辛味と旨味、胡麻や青ねぎの香りもあって、わが家では何かと活躍する合わせだれです。いろんな素材が、このたれをかけるだけでたちまち旨味豊かに!すぐ飲みたい人や味つけが定まらない人にとってすこぶる頼りになるので、多めにつくって常備しておくのもいいですね。
ピリッとして奥深い味なので、お酒はシェリーを合わせました。シェリーは甘口から辛口までさまざまですが、程よい酸味と熟成感のある辛口でドライのアモンティリアードがお薦めです。ソーダで割ると飲みやすく、食中酒としてゆっくり楽しめます。
アボカド | 1個 |
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鶏せせり | 4~6切れ(約100g) |
★ ピリ辛だれ | |
・ 醤油 | 大さじ1 |
・ 白胡麻 | 大さじ1 |
・ 青ねぎ | 10cm分 |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
・ ごま油 | 大さじ1/2 |
・ 豆板醤 | 小さじ1/2 |
・ おろしにんにく | 少々 |
アボカドは斜め十文字に切り込みを入れ、種を外して皮をむき、2cm角に切る。
ピリ辛だれの青ねぎを小口切りにし、すべての材料をよく混ぜ合わせる。
せせりは塩、胡椒を各少々(各材料外)をふってフライパン(フッ素加工のもの)で両面をこんがりと焼く。
器に①のアボカドと③のせせりを盛り合わせ、②のたれをかける。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ