海老は丸ごと使って旨味を引き出します。パスタはリガトーニを使い、つまみにもなる一品です。パスタが主食のデザイナー・ハヤシコウさんに、パパっとつくれるシンプルなパスタを習いました。この週末のランチにつくってみませんか?
「Mare e monti(マーレエモンティ)」という海と山の食材を一緒に食べるパスタがある。海の食材は貝類や甲殻類とさまざまだけど、山の食材はたいていきのこを使う。きのこは旨味があるだけではなく、魚介類の香りをよく引き立てるので、必ず使って欲しい。
海老の頭はいろいろな料理に使えるので、僕は海老の身だけ使う料理の時も、有頭海老を買って、頭は冷凍庫にストックしている。なんなら、海老の身がなくても、頭を炒めるだけで美味しいソースがつくれます。
合わせるワインはシチリアの赤ワイン。海老のコクのあるソースには、華やかな“エトナ・ロッソ”で。シチリアの土着品種のネレッロ・マスカレーゼ種が主体のこのワインは、しなやかな酸味ときれいな果実感で、海老や蟹のように強い味わいのソースと好相性です。
ショートパスタ | 180g(リガトーニ) |
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有頭えび | 4尾 |
マッシュルーム | 100g(しいたけでも) |
パッサータ | 200ml |
オリーブオイル | 大さじ1 |
にんにく | 1片(芯を抜いて潰す) |
白ワイン | 適量 |
イタリアンパセリ | 適量(刻む) |
塩 | 9g |
鍋に3Lの湯を沸かし、塩とショートパスタを入れる。時々混ぜながら袋の表示通りにゆでる。
マッシュルームの軸を外し、軸は1/4個に、かさは薄切りにする。
海老の頭を外し、殻を剥き、尾っぽも取る。身は一口大に切る。
フライパンを中火で熱し、オリーブオイルとにんにくとマッシュルームの軸を入れ、香りが出てきたら、海老の頭とマッシュルームのかさも加え、にんにくは取り出す。ポイントはあまり動かさず焼きつけること。ある程度焼けたら、白ワインを回しかける。
マッシュルームに火が入り、全体に水分が飛んできたらパッサータを加える。
マッシャーなどで海老の頭を押して、味噌や旨味をソースに出すように炒める。
⑥のフライパンに、①のリガトーニとゆで汁を入れさっと合わせたら、③の海老の身も加える。ソースが煮詰まったら完成。器に盛り、イタリアンパセリを散らす。
人呼んで“日本人初のイタリア人”。イタリアを愛し、イタリアに魅せられて早28年。トスカーナ州ルッカでレストランのキッチンを、ロンバルディア州ソンドリオでレストランのサービスを、マルケ州ウルビーノで美術学校で印刷技術と広告デザインを学び、現在はデザイナーとして活躍しながら、神奈川県・小田原のイタリア料理店「クインディチ」に立つ日もある。
撮影:海老原俊之 構成:編集部