まぐろに合わせる酢飯は柑橘の酸を効かせて、一体感のある味わいに。見た目も華やかな一皿です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
手こね寿司は、もとは漁師たちの船の上の賄いだったという伊勢志摩の郷土料理。ねぎを赤玉ねぎにアレンジし、一柳京子さんの薄手の大鉢にどーんと盛りつけたら、少し洋の趣きのある華やかなおもてなし料理になりました。お祝いの日にもおすすめです。まぐろはさっと湯引きして旨味を閉じ込めてから、漬けにしているのがポイント。風味豊かで酸味がまろやかな柑橘酢を使った酢飯が食欲をそそります。木の芽はたっぷりと散らして。
本まぐろ赤身 | 約350~400g |
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米 | 3合 |
昆布 | 5cm角2枚 |
酒 | 150ml |
醤油 | 120ml |
赤玉ねぎ | 中1/4個分(極薄切り) |
木の芽 | 適量(1パック) |
★ 合わせ酢 | |
・ 米酢 | 大さじ3 |
・ 柑橘の搾り汁 | 大さじ2(かぼすやすだちなど) |
・ 砂糖 | 小さじ2と1/2 |
・ 淡口醤油 | 大さじ1 |
・ 昆布 | 3cm角1枚 |
・ 鰹節 | ひとつかみ |
米をといでザルにあげ、水をしっかりきる。土鍋に入れ、水540ml(材料外)と昆布1枚を加え、1時間(夏なら30分)おいて浸水させる。
小鍋に酒と残りの昆布1枚を入れ、30分ほどおいてから強火にかける。煮きったら醤油を加え、ひと煮立ちしたら火を止める。粗熱が取れたら、まぐろが入るサイズの容器に入れ、冷蔵庫でしっかり冷やしておく。
合わせ酢の材料をボウルに入れ、よく混ぜる。米が炊ける直前にザルでこす。
まぐろの両面に薄く塩(分量外)をふり、冷蔵庫で5分ほどおく。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、まぐろを10~15秒ほどくぐらせ、表面の色が変わったら、すぐ氷水にとる。キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取り、2の漬け汁に1時間以上(できれば一晩)漬ける。途中、何度かひっくり返し、まんべんなく漬かるように。
1の米を炊き、炊き上がったら昆布を取り出し、飯台に移す。すぐに3の合わせ酢を回しかけ、うちわであおいで水分をとばしながら、しゃもじで切るように混ぜる。かたく絞った布巾をかけ、5分おく。
まぐろを漬け汁から取り出し、厚さ4~5mmに切る。漬け汁を酢飯に大さじ3~4杯かけ、さっくり混ぜて味をととのえる。
酢飯を器に盛り、上にまぐろをのせる。赤玉ねぎと木の芽を散らす。残った漬け汁を好みでかけてもよい。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。