春に旬をむかえる貝の旨味と食感を楽しめる一品です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
春が旬である貝を使ったぬたを、こんな銀彩の鉢に品よく盛りつければ、料理上手と呼ばれること間違いなし。純度の高い銀を使用している銀彩の器は、空気中や食品の硫黄分と反応して変色するので、使い込むごとに味わい深くなっていくもの。手入れすればピカピカを保てますが、いぶし銀のような渋い雰囲気が酒のつまみにぴったりです。さざえはコリコリとした食感が楽しいけれど、あさりや青柳、はまぐりなどでもOKです。
さざえ | 4個(小) |
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あさつき | 1束 |
わかめ | 10g(生) |
海苔 | 少々(せん切り) |
★ 玉味噌 | |
・ 白味噌 | 100g |
・ みりん | 大さじ1 |
・ 酒 | 大さじ1 |
・ 卵黄 | 1個分 |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
★ 酢洗い用の甘酢 | |
・ 酢 | 大さじ1 |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
・ 塩 | 少々 |
卵黄以外の材料を小鍋に入れて中弱火にかける。煮立ったら弱火にし、木ベラでなめらかになるまで練る。火から下ろし、すぐに卵黄を加えてよく混ぜ合わせる。粗熱が取れたら保存容器に入れ、冷蔵庫で保存。
鍋に湯を沸かす。さざえは水で洗ってから、口を下にして尖った部分を手に持ち、沸騰した湯に30秒ほどつける。蓋がひらいてきたら引き上げ、身を取り出す。ワタを取り除き、身を薄切りにする。
小さなボウルに酢洗い用の甘酢の材料を入れてよく混ぜ、2のさざえをくぐらせて酢洗いする。
あさつきはさっとゆでて水気をきり、長さ5cmに切る。酢少々(分量外)をかける。
わかめはよく洗い、熱湯をたっぷりかけて水気をきる。酢少々(分量外)をかけてから、食べやすい大きさに切る。
食べる直前に3、4、5を1の玉味噌少々と海苔で和える。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。