甘味、香り、食感の三拍子がそろった絶品かき揚げです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
甘く香ばしいねぎの香りと、歯ざわりのよい衣、ジューシーな海老の食感のコントラストがたまらないひと品。実は、秀治の母の十八番レシピです。かき揚げをちょっとよそ行き顔にしているのは、伊藤 環さん作の錆銀彩の器と、大きめに切った具のごちそう感。海老の存在感に負けないよう、ねぎは大きくぶつ切りに。揚げるときにバラバラにならないよう、衣は少し濃いめにつくります。有頭海老だったら、頭は頭だけでミソごと揚げるとおいしいですよ。
殻付き海老 | 12尾(芝海老やホワイトエビなど) |
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ねぎ | 1/2本(青いところも含む) |
★ 衣 | (粉類を合わせてふるいにかけておく) |
・ 小麦粉 | 100g |
・ ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
・ 冷水 | 100ml |
塩 | 適量 |
抹茶塩 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
衣づくり用のボウルと粉類を冷蔵庫で冷やしておく。ねぎを長さ1cmの輪切りにする。
別のボウルに、殻と尾を取った海老と片栗粉(材料外)、塩、水少々(ともに分量外)を入れ、軽くもんで洗う。さっと水で洗ってザルにあげ、キッチンペーパーで水気を拭き取ってから長さ2cm程度に切る。
ねぎと海老を合わせ、小麦粉少々(分量外)をふるいながら加え、全体にまぶす。
1の冷やしておいたボウルに冷水を入れ、小麦粉とベーキングパウダーをもう一度ふるいながら少しずつ加え、粘りが出ないように箸でたたくように混ぜる。持ち上げると細く垂れる状態にする。
3に4の衣大さじ4を加え、さっくりと混ぜる。
揚げ油を鍋の深さ3cmまで入れ、180~200℃に温める。5を網杓子の上にのせて丸くまとめ、静かに油に入れる。2~3回返しながら均等に火を通す。油の量は浅めのほうが揚げやすいが、温度が変動しやすくなるので、一度に多くのタネを入れないこと。
網にあげて油をきる。この際、重ねて置かないように注意。器に盛り、塩や抹茶塩をふる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。