器を引き立たせるレシピ
甘鯛のだしを使った力強い"春にんじんのポタージュ"

甘鯛のだしを使った力強い"春にんじんのポタージュ"

春にんじんの強い甘味と甘鯛の重厚なだしが合わさった力強い味わいのポタージュです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。

スープの鮮やかさを受けとめる“春にんじんのポタージュ”

『カモシカ』で、いつも色をテーマに個展を開催している吉村和美さんのスープボウル。薄墨色や淡いピンクがかった灰色といったニュアンスのある色味が、春野菜の色鮮やかさを美しく引き立ててくれます。野菜のポタージュというと、いつもは野菜の風味を生かすためにやさしいだしを使いますが、今回は甘鯛の骨でだしをとりました。というのも、新にんじんはとても味が強いので、それに負けないような動物性の強い味がよく合うのです。

材料材料 (3~4人前)

春にんじん1kg
スープストック800ml(シャモや豚骨、魚のアラなど風味が強いもの)
バター大さじ1
少々

1下ごしらえ

にんじんはよく洗い、水気を拭き取る。へたを切り落とし、一口大の乱切りにする。

2煮る

鍋を中弱火にかけてバターを溶かし、1を炒める。全体に油がまわってしっとりしたら、スープストックを加えて強火にする。沸騰したら弱火にして静かに煮る。アクが出たら取り、水分が足りなくなったら水を少々足す。

3撹拌する

1時間ほどしてにんじんがやわらかくなったら、火から下ろして粗熱を取り、具とスープに分ける。具をフードプロセッサーにかけ、スープで少しずつのばしながら、なめらかになるまで撹拌する。

4仕上げ

鍋に戻して火にかける。全体が温まったら塩を慎重に少しずつ加えて味をととのえる。好みで生クリームや牛乳を少量加えてもよい。

完成

教える人

オカズデザイン

2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。

文:藤井志織 写真:伊藤達也

この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)