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旨味たっぷり、甘すぎない大人のチキンライス

旨味たっぷり、甘すぎない大人のチキンライス

東京の洋食の名店「目白 旬香亭」古賀達彦シェフに教わった、とっておきのチキンライスです。好評発売中のdancyuムック定番シリーズの最新号は鶏料理です。73種類の鶏肉レシピを掲載しており、読みごたえは充分。ぜひつくってみてください!

鶏料理のレパートリーは、あるほど重宝

和洋中、エスニック、どんな料理でも鶏肉は大活躍。宗教上の制約を比較的受けづらいこともあり、世界中で鶏肉料理は愛されています。特にもも肉は使い勝手、味わいからしても一番活躍する部位。ちょっと豪華なメニューからパパッと時短料理まで幅広く使えて、あると安心できる食材の一つです。2月21日発売のdancyu定番シリーズ『鶏肉料理 もも・むね・ささみクッキング』でもたくさんのもも肉を使ったレシピを紹介しています。

さらに最近ではヘルシーでリーズナブルなむね肉も人気。パサつきがちなむね肉もちょっとした調理のコツでおいしくしっとり食べられます。淡泊な味わいなのでぜひここは新しいメニューに挑戦して魅力を再確認してほしいところ。ほかにもささみ、手羽の料理まで広げると、毎日鶏肉でも飽きないくらいのバリエーションです。まだ出合っていない料理から定番の鶏料理をぐっと格上げするコツまで満載。ぜひ毎日のチキンライフを楽しんで欲しいので、今回はこの本の中からとっておきをご紹介しましょう。

洋食の名店「目白旬香亭」の古賀達彦シェフに習った、チキンライスのつくり方です。

チキンライスのつくり方

材料材料 (2~3人分)

鶏もも肉1枚
玉ねぎ60g
にんじん30g
ピーマン20g
温かいご飯400g
ケチャップライスの素約240ml
バター10g
植物油小さじ1
適量
胡椒適量
パセリ適量(みじん切り)
★ ケチャップライスの素(つくりやすい分量)
・ にんにく5g(みじん切り)
・ ロースハム20g(みじん切り)
・ ブイヨンスープ50ml
・ トマトピューレ60g
・ トマトケチャップ200g
・ 植物油少々
A
・ 玉ねぎ50g(みじん切り)
・ にんじん20g(みじん切り)
・ セロリ10g(みじん切り)

*ブイヨンスープは市販のキューブや顆粒を湯に溶かしたものでも可。市販品は塩分があるので、それを考慮して仕上げの味を調える。

1ケチャップライスの素を仕込む

鍋またはフライパンを弱~中火にかけて植物油とにんにくを入れる。色がつかない程度にさっと炒め、香りが立ったらAを加えて、しんなりとするまでゆっくりと炒める。玉ねぎが薄く色づいたらロースハムを加えてさっと炒め合わせ、ブイヨンとトマトピューレを加える。強火にして水分をとばしながらブイヨンのコクを引き出し、トマトの酸味をとばす。

ケチャップライスの素を仕込む

2煮詰める

水っぽさがなくなったらトマトケチャップを加え、いったん沸いたら火を弱める。ケチャップの尖った味が丸くなるまで、ときどき混ぜながらポコポコというくらいの火加減で10分ほど煮る。

煮詰める

3ケチャップライスの素の完成

鍋底をへらでなぞると、しっかり底が見えてゆっくり戻っていく程度になれば完成。これで分量のチキンライスをつくると少し余る程度。ナポリタンのベースや生クリームでのばしてパスタなどに使えるので倍量を仕込んで冷凍しておくと便利。

ケチャップライスの素の完成

4ご飯の蒸気を軽くとばす

ご飯は温かいほうが短時間で炒めやすいが、熱すぎるとベタつくので、皿に広げるように盛り、軽く蒸気をとばしておく。冷やご飯を使う場合は、レンジで温めなおしてから同様に蒸気をとばす。

ご飯の蒸気を軽くとばす

5鶏肉を切る

鶏肉は皮を取り除き、筋を包丁で引きながらしっかりと取る。筋で繋がった肉同士を剥がすように引っ張ると、自然と一口大にほぐれるので、そのままでは大きなものだけ包丁で切る。なるべく包丁を入れずにほぐすと肉から味が抜けにくく、加熱後もプリッとした食感になる。しっかりめに塩、胡椒を振り、野菜を切る間置いておく。

鶏肉を切る

6野菜を切る

玉ねぎは1cm角に切る。にんじんは玉ねぎの大きさに合わせていちょう切り、ピーマンも1cm角に切る。

野菜を切る

7炒める

フライパンを中火にかけ、植物油を入れる。温まったら玉ねぎとにんじんを入れて色がつかない程度に炒め、玉ねぎに透明感が出てきたら3の鶏肉を加えてさらに炒める。

炒める

8味つけする

鶏肉に半分程度、火が通ったところでピーマンを加えてさっと炒め、香りづけにバターを加える。バターが溶けて全体にからんだところへケチャップライスの素の半量を加えて混ぜる。

味つけする

9ご飯を入れる

1のご飯を入れ、へらの先でほぐしながら全体をさっくりと炒め合わせる。

ご飯を入れる

10仕上げる

残りのケチャップライスの素も加えて、ご飯の白い部分がなくなるまで炒め合わせる。足りなければ塩、胡椒などを適宜加えて調える。器に盛り、パセリを散らす。

仕上げる
完成
鶏肉に余計な包丁を入れていないから、旨味が逃げすにプリッとした仕上がり。主役らしい存在感が感じられる。ケチャップライスの素は冷凍庫に常備しておけば、いつでも手軽につくれる。

古賀達彦(「目白 旬香亭」シェフ)

「静岡 旬香亭」オーナー、斎藤元志郎氏のもとで長らく洋食の腕を磨き、2014年、目白店のオープンから店を任される。店ではハンバーグ、コロッケ、メンチカツ、グラタンなど、老若男女が大好きな洋食メニューとワインが楽しめる。

取材:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

※この記事の内容は、「dancyu定番シリーズ 鶏肉料理もも・むね・ささみクッキング」に掲載したものです。

dancyu定番シリーズ 鶏料理もも・むね・ささみクッキング
dancyu定番シリーズ 鶏料理もも・むね・ささみクッキング
A4変型判(120頁)
2022年2月21日発売 880円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。