ゆっくり時間をかけた、旨味の深い豚のラグー。一度つくるとまた食べたくなる、魅惑のメニューです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
大人数分の料理をちょくちょくつくるのですが、パスタを盛るときに活躍するのがこの大鉢。ガラス皿に温かいパスタ?と驚かれることもあるけれど、パスタの輪郭がくっきりと映え、湯気がなんともおいしそうに見えていい感じなのです。石川昌浩さん作の温かみのある厚手のガラスの質感は、冬の料理にも実によく似合います。ラグーは塊肉のままオーブンでじっくり煮込むと、こっくりと奥深い味わいになりますよ。
ショートパスタ | 1人あたり80~100g(リガトーニ、バッケリなど太めのもの) |
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豚すね肉 | 500g(または豚肩肉(塊)) |
玉ねぎ | 60g |
にんじん | 60g |
セロリ | 60g |
オリーブオイル | 大さじ2 |
バター | 大さじ2 |
A | |
・ ホールトマト | 240g(フードプロセッサーやホイッパーでつぶしておく) |
・ 赤ワイン | 1カップ |
・ 日本酒 | 2カップ |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
塩 | 適量 |
白胡椒 | 適量 |
黒胡椒 | 適量 |
豚肉はキッチンペーパーで水気を拭き取り、6g(肉の分量の1.2%)の塩を全体にまぶす。全体をラップで包み、冷蔵庫で1~2日ねかせる。途中水分が出てきたらラップを取り替える。
1の肉を常温にもどす。玉ねぎ、にんじん、セロリはそれぞれ5mm角のみじん切りにする。オーブンを220℃に予熱しておく。
厚手の鍋を中火にかけてオリーブオイルを熱し、2の野菜を入れて炒める。焦がさないように徐々に火を弱め、水分が抜けるまで10~15分ほど炒める。
オーブン対応の蓋付き耐熱鍋にバターを入れて強めの中火にかけ、バターが溶けたら豚肉を入れ、白胡椒をしっかりとふる。焼き色がついたらひっくり返し、3とAを加え、オーブンに入れて蓋をして1時間半火を通す。途中30分ごとに、肉をひっくり返したり位置を変えたりして、均等に火を通すこと。
4をオーブンから取り出し、肉を7~8mm角に切って鍋に戻す。味をみて、塩、黒胡椒でととのえる。
大鍋にたっぷりの塩水(塩は水の10%程度)を入れ、パスタをアルデンテにゆで、ザルで軽く水気をきる。ゆで汁は少々とっておく。
大鍋にパスタを戻し入れ、5のソースを麺と同じ量だけ加え、和える。麺がまだかたかったり、塩気が足りないようなら、ゆで汁を少し足してととのえる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。