ベシャメルソースはつくるのに手間がかかりますが、丁寧につくるとひと味違うコク深さになります。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
くまがいのぞみさん作の耐熱皿は、オーブンの中のスペースを目一杯使えるという機能性からか長方形。調理道具でもありますが、焼いてそのまま食卓に出せる器でもあり、熱々をサーブすると食卓がわあっと盛り上がります。このグラタンは、根気よく丁寧につくったコクのあるベシャメルソースにもっちり太めのショートパスタ、ほくほくの栗に鶏の旨味がしみ込んで、食べごたえ十分。
むき栗 | 200g |
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鶏もも肉 | 1枚 |
ショートパスタ | 200g(パッケリやリガトーニなど太いもの) |
バター | 小さじ2 |
コンテチーズ | 適量 |
塩 | 適量 |
白胡椒 | 適量 |
はちみつ | 小さじ1 |
★ べシャメルソース | |
・ 牛乳 | 500ml |
・ 発酵バター | 50g(食塩不使用) |
・ 強力粉 | 50g |
・ 白ワイン | 100ml |
注ぎ口のある小鍋に牛乳を入れて中火にかけ、木ベラで混ぜながら40℃に温める。
フライパンにベシャメルソース用のバターを入れ、ごく弱火にかける。溶けたら強力粉を加え、焦がさないように炒める。
粉っぽさがなくなり、中心までふつふつと沸騰したら、1の温めた牛乳を少しずつ加えては、木ベラでよく練る。焦がさないように木ベラを動かし続けながらこの作業を繰り返し、最後に白ワインを加えて混ぜ、全体がふつふつと沸騰したら火を止める。
鶏肉はキッチンペーパーで水気を拭き、黄色い脂があれば取り除く。5~6等分に切る。
4に塩、白胡椒、はちみつを順にもみ込み、冷蔵庫で1~2時間おく。
フッ素樹脂加工のフライパンを中火で熱し、鶏肉を皮目を下にして並べ入れ、両面に焼き色がつくまで5~6分焼く(あまり動かさない)。
別のフライパンを強火にかけてバターを入れ、大きく揺すりながら溶かし、焦げ色がつくまで加熱する。全体に色づいたら栗を加え、軽く塩をふり、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
ショートパスタをかためにゆでる。
8がゆで上がったらベシャメルソースと6、7と一緒に和える。味をみて足りなければ塩、胡椒でととのえてから耐熱容器に入れる。
チーズをたっぷりと削りかけ、170℃に予熱したオーブンで20~30分、焼き色がつくまで焼く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也