りんご酢のような果実酢をつかうと、丸みを帯びた酸味になり、食べやすい〆さばになります。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
五月女寛さん作の貫入(かんにゅう)板皿は、緊張感のある薄さと小ぶりなサイズが、まるでアート作品のような佇まい。そのまま飾っても素敵なのですが、余白を生かして上品に盛りつけ、季節の花や葉などのあしらいを添えると、これもまた絵のような美しさに。器の辺に対して斜めに配置し、少なめの量を盛りつけるのがポイントです。〆さばは、りんご酢や砂糖を加えた合わせ酢で、まろやかな酸味に。
さば | 1尾(3枚におろす) |
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★ 合わせ酢 | |
・ りんご酢 | 75ml |
・ 米酢 | 75ml |
・ 塩 | 15g |
・ 砂糖 | 30g |
合わせ酢の材料はすべて混ぜて冷蔵庫で冷やしておく。
バットにさばの切り身を並べ、塩(分量外)をたっぷりとすり込む。両面がうっすら白くなるくらいまで。そのまま冷蔵庫に入れ、10~15分ほどおく。
流水で2の塩を落として水気をよく拭き、冷蔵庫で2~3時間ほどおく。
ポリ袋に3と合わせ酢を入れ、15分ほど冷蔵庫でねかせる。
4を冷蔵庫から取り出し、さばの水気を拭く。腹骨をそぐように切り落とし、中骨をとげ抜きで抜く。
薄皮を頭側からむく。はがれた部分を押さえつけるようにゆっくりむいていくときれいにむける。
幅約5mmの浅い切り込みを入れながら、幅1cmに切る。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也