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鮮烈な香りが広がる"しその天ぷら"|家庭で"野菜天ぷら"をおいしく揚げる方法③

鮮烈な香りが広がる"しその天ぷら"|家庭で"野菜天ぷら"をおいしく揚げる方法③

芯にするしその分量や火の通し加減をマスターすれば、感動的なおいしさにが味わえます!衣と油を駆使して、野菜のポテンシャルを引き出す調理法天ぷら。東京・外苑前にある天ぷら屋「元吉」の店主・元吉和仁さんに、野菜天ぷらをおいしく揚げる秘密を習いました。

天ぷらの腕が“カラッと”上がる4つの秘訣

天ぷらは「野菜をおいしく食べるための優れた調理法です」。こう話すのは東京・外苑前の「天ぷら元吉」の主人、元吉和仁さん。天ぷらにすれば、野菜の甘味や香りが引き出されて香ばしさも加わる。薬味に使うような地味野菜でも、堂々主役を張れるのだ。
天ぷらづくりで最も重要なのは衣。「これができれば、成功したも同然です」と元吉さんは断言する。ポイントは薄い衣の上に濃い衣を重ね、その野菜が一番引き立つ厚さにしてやること。やや難しく感じるかもしれないが、大丈夫。野菜は魚介に比べておいしさのストライクゾーンが広いので、初心者でも失敗しにくい。
玉ねぎ、しそ、なすなど身近な野菜も、元吉さんの手法で揚げれば、香りや食感が劇的に変化する。野菜に惚れ直すこと請け合いだ。

1.水分の少ないものから揚げる

一品ずつ揚げたてを出す店と違い、家庭では食べるまでのタイムラグが課題。ほかのものを揚げるうち、先に揚げた天ぷらの衣がふやけて台無し、なんてことも。「衣がふやけやすいのは水分の多い野菜。水分の少ないものから順に揚げれば解決です。揚げたらすぐ半分に切って蒸気を逃がすといいですよ」と元吉さん。

2.衣の材料は、粉まで冷やしておく

サクッと歯切れのよい衣は、おいしい天ぷらの決め手。それには衣の材料の温度管理が重要になる。「水と卵はもちろん、薄力粉も冷蔵庫でしっかり冷やします。衣がもそっと重くなる原因は、小麦に含まれるグルテン。冷やしておけばグルテンが出にくくなるんです」。後から足す薄力粉も冷やすことを忘れずに。

3.衣は混ぜすぎず、粉っぽさを残す

衣は混ぜすぎ禁止!小麦粉に含まれる粘りのもとのグルテンが出て、フリッター状のモコモコした衣になるからだ。「混ぜ加減は粉っぽさが残る程度。ダマがあっても構いません」。小麦粉の種類はグルテンの少ない薄力粉を。衣をつける前に下地として薄力粉をまぶすこと。衣が密着し、蒸し揚げ状態が保てる。

4.底の厚い、大きな鍋で揚げる

鍋は温度を一定に保ちやすい厚手のものを。「直径27cm以上が理想ですが、家庭では24cmくらいでしょうか。中華鍋は大きいけれど薄いので不向きです。材料を隙間なく入れると温度が下がるので注意」。揚げ油は5cm以上の深さまでたっぷり用意。サラダ油に焙煎胡麻油を2~3割加えると甘味と香ばしさが引き立つ。

しその天ぷらのつくり方

しその清涼な香りを満喫できるように考案したのが、しそロール。しそで芯をつくり、それをしそで巻き込みます。芯にはあまり火が入らないので香りがキープできるのです。買うときは小さめの葉を。えぐみが少なく口当たりも柔らかです。ロールの中に衣が入ると食感が悪くなるので、揚げる前によくきりましょう。

材料材料

しそ20~24枚
揚げ油適宜
適宜
薄力粉適宜

1下ごしらえ

用意したすべてのしその軸を切り落とす。

下ごしらえ

2しそを折る

表が上になるように3枚重ねる。葉先を手前にして置き、葉先と両端を内側に折り畳む。手前からクルクルと巻いてロール状にする。葉が大きい場合は1~2枚減らしてもいい。

しそを折る

3しそを巻く

表が上になるように2枚重ねて、葉先を手前にして置く。葉先に2を置き、手前からクルクルと巻き込む。

しそを巻く

4留める

楊枝などで留める。芯になるロールの横幅が狭すぎると余計な衣が入り込み、食感がもたつくので注意。

留める

5揚げる

全体に薄力粉を薄くつける。楊枝を持ち、衣の薄い部分のみに何回か浸して、全体に衣をまとわせる。揚げ油の温度はやや低めの170℃。油に投入し、すぐにひっくり返す。こうすると全体が固まって、衣が流れにくくなる。

揚げる
揚げる

6仕上げる

さらに天地を返しながらさらに1~2分揚げる。周りの泡がなくなってきたら引き上げる。

仕上げる

7平たく揚げる場合

平たく揚げると食感がよくなる。しそを巻かずに揚げると香りはとぶものの、ショリショリとした軽い食感が楽しめる。しその裏のみに薄力粉を薄くはたき、衣の薄い部分のみをつけ、170℃の油に投入。裏返しながら1分ほど揚げる。油に入れるときは、衣をつけた面を下にして、叩きつけるようにするといい。余分な衣が散り、葉が丸まるのを防げるからだ。

しそはそのまま揚げてもいいが、巻いて揚げれば爽やかな香味が口中で炸裂。夏にぴったりの一品だ。

教える人

「天ぷら 元吉」店主 元吉和仁

「天ぷら 元吉」店主 元吉和仁

1975年生まれ。学生時代に天ぷら職人を志し調理師学校へ。大阪の老舗料亭、都内の天ぷら屋などを経て31歳で独立。理にかなった自由な発想で独自の野菜天ぷらを追究する。

店内
2006年11月開店。 生ビール800円。日本酒は飛露喜、五凛、磯自慢ほか10種類程度で一合980円~。店で使う関根胡麻油はオンラインでも販売している。おまかせコース1万9,000円~。

店舗情報店舗情報

天ぷら 元吉
  • 【住所】東京都港区南青山3-2-4 セントラルNo 6 B-A 地下1階
  • 【電話番号】03-3401-0722
  • 【営業時間】18:00〜と21:00〜の2部制
  • 【定休日】日曜 祝日の月曜
  • 【アクセス】東京メトロ「外苑前駅」1a出口より3分

文:上島寿子 写真:湯浅亨

※この記事の内容はdancyu2017年8月号に掲載したものです。

上島 寿子

上島 寿子 (文筆家)

東京生まれで、アルマーニで有名になってしまった銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。