焼酎に合うつまみレシピ
高山なおみさんの香味野菜が香る"台湾風刺身"

高山なおみさんの香味野菜が香る"台湾風刺身"

薬味の清涼感と、すだちの酸味が心地よい、夏にぴったりのレシピを人気料理家の高山なおみさんに習いました。今回のテーマは焼酎に合うつまみです。

高山なおみさんの夏の焼酎つまみ

「なんでも合うのよ」
高山なおみさんに焼酎に合うつまみについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「どんな料理もたくましく受け止めてくれるのが、焼酎でしょ」

今回、高山さんがつくってくれた焼酎つまみは、素材の持ち味を生かしたシンプルなものばかり。それが、焼酎と抜群に相性がいいのだ。なんでだろうと、不思議に思って食べ進んでいくと、あることに気がついた。

まずは香りだ。香菜やねぎの香りと焼酎独特の香りが鼻から抜ける。なんとも心地がいい。そして辛味。たっぷりふりかけた黒胡椒で、焼酎の強さに負けない味わいに。
まだある、酸味だ。すだちやレモンの酸味で焼酎の味が華やかになる。シャキシャキとした野菜やカリッとした肉の食感も、咀嚼するたびに焼酎が進む。

なんでも合うなんて言いながら、高山さんのつまみは、焼酎といい関係になっているのだ。「ご近所さんみたいな感じ」
高山さんは、焼酎のことをそんなふうにも言う。飲み飽きず、飲み疲れしないからだと。そんな気軽で気楽な焼酎を片手に、高山さんのつまみを食べながらゆっくり過ごすのは、なんだかゆる~くていい感じ。

台湾風刺身のつくり方

材料材料 (2人分)

真鯛60g(刺身用)
帆立貝柱大3~4個(刺身用)
★ タレ
・ にんにく1片(みじん切り)
・ 生姜1片(みじん切り)
・ ナムプラー大さじ4
・ 醤油大さじ2と1/2
・ 赤唐辛子小1本(種を取り除き、小口切り)
・ 胡麻油小さじ1
長ねぎ適量(白い部分)
香菜適量
すだち1/2個

1タレをつくる

すべての材料を小鍋に入れて、ひと煮立ちさせる。粗熱が取れたら保存瓶などに移し、冷蔵庫で冷やす。

タレ
タレはつくりやすい分量。余ったら冷蔵庫で2週間ほど保存可能。冷や奴や油で焼いたなすにかけたり、炒め物やチャーハン、焼きそばなどの味つけに使え、出番の多い調味料になりそう。

2下ごしらえ

長ねぎは白髪ねぎにし、軽く水にさらしてザルに上げ、香菜は1cm幅のざく切りにする。
真鯛は薄いそぎ切り、帆立は端のコリコリした部分を切り離してからそぎ切りにする。

3盛りつける

2を器に平らに盛りつけ、香菜と白髪ねぎを散らしてタレ大さじ1を回しかける。仕上げにすだちを搾る。

盛りつけ

教える人

高山なおみ 料理家

高山なおみ 料理家

レストランのシェフを経て料理家に。『明日もいち日、ぶじ日記』(新潮社)ほか、文筆家としても活躍中。「たくさんは飲めませんがお酒は大好き」と笑顔で話す高山さん。体にじんわりとしみ込む焼酎のおいしさを再認識し、暑い日にはキーンと冷やした水割りで晩酌を楽しんでいるとのこと。

文:石出和香子 写真:上山知代子

※この記事の内容はdancyu2013年9月号に掲載したものです。