旬の香味野菜クッキング
香り高く瑞々しい"緑のガスパチョ"

香り高く瑞々しい"緑のガスパチョ"

夏の最強スープ、ガスパチョのグリーンバージョンは、野菜を切ってミキサーで混ぜるだけと簡単なうえ、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味がすべてバランスよく、しその香りも爽やか。今夏の定番料理にどうぞ。

夏野菜のご馳走スープ

夏がやってきた。連日の蒸し暑さにすっかりやられ、食欲はずっと低空飛行気味。そんなとき、冷蔵庫に常備するのが香味野菜の薬味セットだ。しそ、茗荷、生姜をざくざく刻み、手あたり次第に料理にふりかける。まずは爽やかな香気が脳を一撃、次に弾ける苦味と刺激が胃をガツンと覚醒。血液が体中を一気に巡り、元気になるから香味野菜のチカラはすごい。
しかし、よくよく考えてみれば、香味野菜だってれっきとした「野菜」のはず。薬味もいいが、旬の野菜としてわしわし食べれば、さらにもっと元気になれるんじゃない!?
生産農家にはきっと、秘蔵のレシピがあるに違いない。そう信じて向かった先は、富士山麓の有機農園「ビオファームまつき」。オーナーである松木一浩さんは、15年ほど前にフランス料理店の一流サービスマンから転身、農業を始めた方だ。さらにその後もフレンチ愛冷めがたく、現在は自ら育てた野菜を使った素敵なフランス料理店も経営している。
「うちはしそと生姜は畑で育てていますので、夏の間は使いたい放題。茗荷は知らないうちに畑の端にたくさん自生していまして(笑)。たっぷり摘んで帰っては、ちゃちゃっと料理してがっつり食べてますよ」
おお、それですそれです。レシピプリーズ!
「ではまず、しそをたっぷり使ったガスパチョはいかがでしょう。アボカドや枝豆、きゅうりなど、緑の野菜をたくさん合わせるので、緑のガスパチョと命名。簡単ですよー」
ほほう、確かに簡単だ。しそをはじめ野菜類をザクザク切ってミキサーに放り込み、白だしやビネガーなども注ぎ入れて、あとはガガーッと回すだけ。なのにこのオシャレな仕上がりはどうだ。食べてみると、アボカドや枝豆のとろりとした甘味に玉ねぎやピーマンの辛味、苦味、しその香味などが渾然一体。パーフェクトな味のバランスに、スプーンを動かす手が止まらない!

緑のガスパチョのご飯のつくり方

材料材料 (4人分)

しそ10枚
アボカド1個
玉ねぎ1/2個
ピーマン1個
きゅうり1本
にんにく1片
枝豆50g(ゆでたもの)
E.V.オリーブオイル大さじ2
白ワインビネガー大さじ2
白だし大さじ1・1/3(市販の液状のもの)
小さじ1/2

1下準備

アボカドは縦にぐるりと切り込みを入れて二つに割り、種を取って皮をむく。玉ねぎは皮をむいて根元を落とす。ピーマンは半分に切って種とヘタを除く。きゅうりはヘタを落とす。以上をすべてざく切りにする。にんにくは薄切りにする。

下準備

2ミキサーに材料を入れる

①としそ、枝豆をミキサーに入れる。E.V.オリーブオイル、白ワインビネガー、白だし、水180mlを加え、蓋をしてなめらかになるまでミキサーを回す。

ミキサーに材料を入れる

3味を調える

塩を加え、とろみ加減をみて好みでさらに水を足し、必要があれば塩少々を加え味を整え、もう一度ミキサーを回す。

味を調える

4仕上げ

器に盛りつけ、せん切りのしそ(分量外)をのせ、E.V.オリーブオイル(分量外)をかけて完成。

仕上げ

教える人

松木一浩 「ビオファームまつき」代表

松木一浩 「ビオファームまつき」代表

レストランのサービスマンから有機農業の道へ転身。現在は、55種類の野菜を育てつつ、デリやレストランを展開し、日本の新しい農業の形を探求中。

文:佐々木ひろこ 写真:平松唯加子

※この記事の内容はdancyu2015年7月号に掲載したものです。