茗荷の香りと味わいは肉の脂との相性が抜群です。今回は豚ロースと合わせることで、豚肉のコクと旨味をさらに引き出す、風味豊かな一品となっています。
富士山麓の有機農園「ビオファームまつき」。オーナーである松木一浩さんに、香味野菜がメインを張る料理を教わった。その中でも“茗荷と豚肉の黒酢炒め”は、豚肉の相方が山盛り茗荷だけという潔さ。余熱で温めた茗荷は歯ざわりはシャキシャキのまま、風味が鮮やかに際立っている。豚肉のコクをまとい、噛みしめると艶のある香りが弾けて最高に美味!
茗荷 | 10個 |
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生姜 | 20g |
長ねぎ | 1/2本 |
にんにく | 1片 |
豚肩ロース肉 | 350g(塊) |
塩 | 適量 |
黒胡椒 | 少々 |
片栗粉 | 大さじ2 |
胡麻油 | 大さじ2 |
酒 | 50ml |
★ 合わせ調味料 | |
・ 黒酢 | 大さじ3 |
・ 醤油 | 大さじ1 |
・ 味醂 | 大さじ1 |
・ 砂糖 | 大さじ1 |
茗荷は縦に三つに切る。生姜、長ねぎ、にんにくは細かいみじん切りにする。
豚肉は一口大に切る。肉の食感を楽しめるよう、厚さ8mmほどに切るとよい。塩少々、黒胡椒、片栗粉をまぶし、手でよくもみ込む。
フライパンに胡麻油大さじ1を熱し、肉を入れて強火で焼きつける。表面がカリッとしたらOK(中まで火を通す必要はない)。肉を取り出し、フライパンに残った油を捨てる。
③のフライパンを再び火にかけ、胡麻油大さじ1を熱する。生姜、長ねぎ、にんにくのみじん切りを弱火でじっくり炒め、香りを引き出す。焦げやすいので気をつけること。
酒を注ぎ、木ベラでフライパンの底をこそげながら加熱しアルコール分をとばす。肉を戻し入れ、合わせ調味料を入れる。混ぜながら中火で煮詰め、とろみが出たら、塩少々で味を調え火を止める。茗荷を入れ、ざっと混ぜて余熱で火を通す。
レストランのサービスマンから有機農業の道へ転身。現在は、55種類の野菜を育てつつ、デリやレストランを展開し、日本の新しい農業の形を探求中。
文:佐々木ひろこ 写真:平松唯加子
※この記事の内容はdancyu2015年7月号に掲載したものです。