魚介が豊富なポルトガルですが、山の幸も負けず劣らず豊富です。アサリと豚の炒め合わせは南部の定番で、香菜がグッと料理を引き立てます。
ポルトガル南部では、海の幸のアサリと、山の幸の豚肉を炒め合わせる料理がある。海、山、どちらの食材もこよなく愛するポルトガル人ならでは。上に散らした香菜は、南部でよく使われる。同じく、江戸時代に“こえんとろ”の名で紹介したため、和名にも残っている。
豚の脂で肉とアサリを炒め合わせ、旨味が合わさっただしを、さらに揚げたじゃがいもに吸わせるという、究極の海と山の共演。香菜がよく合う!
豚肩ロース肉 | 200g |
---|---|
赤パプリカ | 1/2個 (すりおろす) |
にんにく | 1/2片(すりおろす) |
塩 | 小さじ1/2 |
アサリ | 200g(小さめのハマグリでも可) |
玉ねぎ | 1/4個 |
トマト | 1/2個 |
香菜 | 1枝(イタリアンパセリでも可) |
じゃがいも | 1と1/2個 |
揚げ油 | 適宜 |
香菜 | 適宜 |
レモン | 適宜(お好みで) |
豚肉は一口大に切ってボウルに入れる。すりおろした赤パプリカとにんにく(写真上)、塩を加 えて全体をよくもみ込み、ビニール袋に入れて 冷蔵庫で半日マリネする(写真下)。アサリは一 晩砂抜きしておく。
玉ねぎは粗みじんに切り、少量の油(分量外)で 茶色く色づくまで炒めておく。トマトは1cm角に、香菜は粗く刻んでおく。
じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、鍋に揚げ油を熱して揚げ、中まで火が通ったら取り出しておく。
大きめのフライパン(直径24cm以上は必要)に 1 の豚肉を入れて炒める。肉の表面が色づいたらアサリを加え、蓋をして中火で貝の口が開くまで蒸す。
貝の口が開いたら強火にし、2と3を加える。全体をざっと混ぜ、器に盛り、香菜とレモンを散らす。豚肉の下味と貝の塩分でも十分だが、足りなければ塩(分量外)で調える。
東京のポルトガル料理シーンを引っ張る第一人者。イタリア留学時代、レストランで働き出したのをきっかけに、イギリス、タイなどで研鑽を積む。ロンドン時代、ポルトガル人がつくった賄い料理のおいしさに感動し、ポルトガル料理に開眼。帰国後、飲食店の立ち上げなどを経て、2010年に独立。
文:馬田草織 写真:公文美和
※この記事の内容はdancyu2013年2月号に掲載したものです。