上品で優しい旨味と甘味が特徴の鶏肉料理です。脂の多い鶏皮部分も使うので、すっきりとした日本酒とどうぞ!
りんご果汁に漬け込んだ鶏もも肉を香ばしく焼く。プリリとした鶏の皮にピリッと効いた黒胡椒。たっぷりとした脂をまとったもも肉に、肉汁とトマトの旨味がぐっと凝縮したソース。 肉を食べる醍醐味を堪能できる一品。
鶏もも肉 | (1枚 ) |
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★ 漬けだれ | |
・ りんごジュース | 100ml(果汁100) |
・ 醤油 | 50ml |
・ ローリエ | 1枚 |
・ にんにく | 2枚 |
・ バジル | ひとつまみ(乾) |
・ 赤唐辛子 | 1本(生 ※) |
・ トマト水煮缶 | 1/2カップ(みじん切り) |
塩 | 適宜 |
粗挽き黒胡椒 | 適宜 |
※乾燥のものを使う場合は耳かきの先くらいのかけらで十分。辛味ではなく、後味にキレをつくるための有馬流の隠し味。
まずは、小鍋で漬けだれの材料をひと煮立ちさせて香りをなじませる。冷ましてから容器に入れ、鶏肉を30分ほど漬ける。
フライパンに鶏肉を皮目を下にして入れ、漬けだれを全部加える。弱火でじっくり火を通し、皮に照りが出てきたらひっくり返す。アルミホイルで覆い、フライパンを密閉状態にしてから、ごく弱火で15〜20分加熱する。
鶏肉の中まで火が通ったら取り出し、残りの煮汁にトマトの水煮を加えて塩で味を調え、3分ほど弱火で煮詰めてソースをつくる。
皿に鶏肉を盛り、ソースを添えて、黒胡椒をふったら出来上がり。
脂の旨味を シャープにきる 味わいのタイプ。
こってり脂が多い鶏皮には、酒だけ飲んだときはやや硬い印象でも、口に含むと余韻があるタイプの純米吟醸が合う。たとえば躍動的な酸がある「天青」なら、脂の旨味を生かしつつシャープにきるドラマチックな組み合わせに。
文:山同敦子 写真:日置武晴
※この記事の内容はdancyu2013年3月号に掲載したものです。
イタリア各地の店などで腕を磨き、2002年、東京・門前仲町に「パッソ・ア・パッソ」を開店。