「煉瓦亭」の野菜サラダ
野菜が際立つ老舗洋食店のドレッシング

野菜が際立つ老舗洋食店のドレッシング

東京・銀座のレストラン「煉瓦亭」は、“カツレツ”を誕生させただけでなく、せん切りの生キャベツを添える、という革命を起こした、ニッポンの洋食の祖。今回、注目したいのは野菜サラダ。単品の野菜を、どうおいしくするのか。まずは、ドレッシングレシピから。

見た目が美しい野菜サラダ

煉瓦亭のメニューには、元祖オムライスやポークカツレツなど、さすがの花形料理が並んでいるが、注目すべきはサラダの項。野菜サラダ(コンビネーションサラダ)だけでなく、アスパラサラダ、レタースサラダ、セロリーサラダ、キウリサラダ、トマトサラダと、1種類の野菜のみでつくる単品サラダが五つもあるのだ。オーダーしてみると、そのプレゼンテーションにも驚かされる。見よ、この盛りつけの美しさを!レタスはフリル感たっぷりで丸いボウルに収まり、ほかはすべて楕円の細長い器にシャープかつ立体的に盛りつけられている。テーブルに運ばれてきた瞬間にこんなにテンションの上がるサラダはそうはない。
単品サラダがいつからつくられているのかは定かでない。現料理長の大澤さんが店に入った27年前には当然のように存在し、ドレッシングとマヨネーズも昔からのレシピそのままだとか。サラダには専任の「サラダ担当」がいて、オーダーが入ってから野菜を切り、丁寧につくり上げる。大澤さん曰く「切りものは何より繊細さが必要な仕事。基本は決まっていても、それぞれの野菜の形に合わせた切り方、盛りつけのバランスに個性が出ます」。
現在のサラダ担当は斎藤さん。「サラダは美しく、かっこよく」がモットーだとか。そのこだわりとテクニックを見せてもらおう。

味付けは共通

サラダにかけるのは自家製のドレッシングとマヨネーズ。どのサラダも一緒という潔さ。野菜が変われば味わいも違ってくる。野菜の持ち味を際立たせる、シンプルで飽きのこない自家製ドレッシングとマヨネーズのつくり方をマスターしよう。

「煉瓦亭」のドレッシングのつくり方

〈保存方法と保存の目安〉清潔な瓶(または容器)に入れて、冷蔵庫か常温で保存。2週間はもつ。食べるときは、瓶をよく振って油となじませてから使う。

材料材料 (つくりやすい分量)

玉ねぎ小1/4個
A
・ 塩大さじ1強
・ 砂糖小さじ1
・ 胡椒小さじ1/3
・ うま味調味料適宜
穀物酢500ml
サラダ油500ml
にんにく1/2片

1材料をミキサーに入れる

玉ねぎはおおまかに切ってミキサー(またはフードプロセッサー)に入れ、Aをすべて加えて、しっかり撹拌する。

材料をミキサーに入れる

2油と混ぜる

ボウルに取り出し、サラダ油を一気に加えてよく混ぜる。サラッとした仕上がりで問題なし。

油と混ぜる

3仕上げ

保存瓶に移す際、にんにくを塊のまま入れる。つくってすぐに使うなら、すりおろして加えてもよいが、保存する場合、塊のままのほうが香りが立ちすぎず、風味が少しずつドレッシングになじんで、まろやかで奥行きのある味わいになる。

仕上げ

「煉瓦亭」のマヨネーズのつくり方

〈保存方法と保存の目安〉清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存。1週間くらいで使い切りたい。

材料材料 (つくりやすい分量)

卵黄3個分
A
・ 塩大さじ1弱
・ 砂糖小さじ2
・ 白胡椒少々
・ 洋がらし小さじ3~4
・ うま味調味料適宜
サラダ油350~400ml
アップルビネガー50ml

1卵黄を混ぜる

ボウルにAを入れ、卵黄を加えて泡立て器でよく混ぜ合わせる。最初に洋がらしを混ぜ合わせることで、乳化を助けてくれる。

卵黄を混ぜる

2油を混ぜる

サラダ油を少しずつ加え、そのつどよくかき混ぜる。あまり油を一度に入れすぎると分離してしまうので注意する。途中でビネガーを2回くらいに分けて加え、よく混ぜ合わせる。

油を混ぜる

3仕上げ

最後に残りのサラダ油を加えて全体をよく混ぜ合わせる。もし、ゆるすぎると感じたら油を、硬すぎると感じたらビネガーを加えて調整するとよい。

仕上げ

文:岡村理恵 写真:日置武晴

※この記事の内容はdancyu2018年6月号に掲載したものです。

店舗情報店舗情報

煉瓦亭
  • 【住所】東京都中央区銀座3‐5‐16
  • 【電話番号】03‐3561‐3882
  • 【営業時間】11:15~14:15(L.O.) 16:40~20:30(L.O.) 土曜、祝日は~20:00(L.O.)
  • 【定休日】日曜
  • 【アクセス】東京メトロ「銀座駅」より3分