年末の気配を身近に感じる季節。真っ赤な果実、ビーツが旬を迎えます。料理研究家の植松良枝先生にビーツのおいしい活用術を教わります。ビーツを買ったことがないという方も、今年はぜひチャレンジしてみませんか?
ビーツの旬は6〜7月と11〜12月の2度あります。
ほうれん草と同じアカザ科なことに加えて根菜なので、冬によく育つイメージ。私も秋の自家菜園でビーツをつくったことがあります。
夏の暑い時季にも栄養を蓄えておいしく育つので、種を春蒔きすれば初夏、秋蒔くすれば初冬に収穫ができるというわけです。
ビーツといばえロシアの煮込み料理「ボルシチ」を想い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
赤ワインでじっくりと煮込んでホクホクとした味わいはもちろんおすすめですが、今年は気分を変えて生で食してみてはどうでしょう。
適当な大きさに切ったビーツと冷凍のラズベリーを水と一緒にミキサーで回すだけで、ほかの野菜ではつくれない綺麗な色のスムージーになります。栄養価たっぷりで甘酸っぱい味わいなので、起き抜けの身体が喜びますよ。
ビーツは、砂糖の原料で知られる甜菜(てんさい)と同じ品種の野菜。甘味がとても強いので、ビネガーに漬けるだけでも千枚漬けのような甘酸っぱいマリネになります。ビーツの甘味と相性が良いのは、芳醇な香りが魅力的な赤ワインビネガー。奥行きのある味わいと香りがクセになるおいしさです。
今回は、12月頃から本格的に出回るイチゴと一緒に混ぜ合わせて、目に美しい赤いサラダに仕上げましょう。ベースとなる野菜はビーツやイチゴの力強い味に負けないクレソンやルッコラを使います。
味付けはビネガー、塩、オイルのみ。ビーツとイチゴの存在感が鮮やかなフレッシュサラダです。
ビーツ | 80g |
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イチゴ | 9個 |
ルッコラ | 30〜40g |
クレソン | 30〜40g |
オリーブオイル | 大さじ1 |
赤ワインビネガー | 大さじ2 |
塩 | 適量 |
ビーツは皮を剥き、2mmの厚さにスライスしていちょう切りにする。イチゴはヘタを切り落として、4等分に切る。ルッコラとクレソンは3cmほどの長さにざく切りする。
ボウルにビーツを入れ、赤ワインビネガーと塩ひとつまみを加えて混ぜ合わせる。
ビーツから水分が出てきたらイチゴも加えて混ぜ合わせる。
ルッコラ、クレソンをボウルに加え、オリーブオイルを回しかける。
ボウルの底からすくい上げるように混ぜ合わせて、器に盛り付ければでき上がり。
――明日につづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子