料理研究家の植松良枝先生が披露する里芋レシピ3品目は、トロトロのご馳走シーフードグラタン。「半殺し」というギョッする名前の調理法で里芋をねっとり、まろやかな食感に仕上げますよ。
里芋のねっとりクリーミーな食感とクセのない味わいは、洋食のクリーム味との相性よし。おまけに魚介類の甘みとも相性よし。グラタンやシチュー、チャウダーの具材にぴったりな食べ応えなので、今回は迷わずシーフードグラタンに里芋を使ってみました。
里芋のシーフードグラタン、つくり方の最大のポイントは里芋を「半殺し」にすること。 なんだか物騒な物言いですが、実は日本に昔からある調理法で、おはぎ(ぼたもち)やきりたんぽをつくる際によく使われます。 米などを潰すときに粒感が残るように潰すことで、滑らかな食感になりつつも粒間をしっかり残すようにするのです。里芋のグラタンにもこの調理法を用いましょう。
蒸した里芋を半分だけマッシュしてホワイトソースとなじませると、具とソースの今までにない一体感。里芋のクリーミーな部分とソースが一体化して、具とソースの境界線がわからなくなるのがこのグラタンのおいしさです。
里芋 | 6個 |
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剥き海老 | 150g(背わたを抜いたもの) |
帆立 | 6個 |
玉ねぎ | 1/4個 |
椎茸 | 3個 |
白ワイン | 大さじ2 |
バター | 60g |
小麦粉 | 60g |
牛乳 | 400ml |
うす口醤油 | 小さじ1と1/2 |
チーズ | 80g |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
里芋は皮付きのまま蒸し器で15分ほど柔らかくなるまで蒸して、粗熱がとれたら皮を剥く。棒などで里芋の食感が残るように粗く潰す。
玉ねぎをみじん切り、椎茸は軸を取り除いてうす切りする。グラタン皿には刷毛などでオリーブオイルをうすく塗っておく。オリーブオイルを中火で熱したフライパンで、玉ねぎが透きとおるまで炒め、海老と帆立をフライパンに入れて塩、胡椒をする。海老の色が変わってきたら椎茸と白ワインを加えて炒め合わせ、水分がなくなったら、グラタン皿に取り出す。
2で使ったフライパンをキッチンペーパーで拭いてからバターを入れて弱火にかける。バターが溶けたら小麦粉を加えて、木べらで粉ダマがなくなるまで混ぜ合わせる。2分ほど熱したら、火を止め蓋をして、8分ほどおいておく。オーブンを230度に予熱する。
3を再び弱火にかけて、ふつふつと沸いてきたら、牛乳を少しずつ加えながら、とろみが出るまで混ぜ合わせる。うす口醤油と塩で味付けをする。
グラタン皿に1を散らして、上からホワイトソースを流し込む。最後にチーズを乗せる。
グラタン皿をオーブンに入れ、20分ほど焼く。表面に綺麗な焼き色がつけばでき上がり。
――つづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子