酒肴研究家の稲垣知子さんによる“山椒麹”を使って、ふたつのおつまみをつくります。
圧倒的に酒を呼ぶレシピなので、日本酒を用意してから取りかかることをオススメします。
一品目は「だし巻き」。山椒麹さえあれば、だしなしでもだし巻きがつくれるんです。冷めてもおいしいので行楽弁当にもぴったり。
二品目は山椒の青々とした香りのだしをまとった山東菜が旨い「アサリと山東菜の酒蒸し」。汁ごと食べたい、酒飲み泣かせの酒肴です。
卵 | 3個 |
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山椒麹 | 小さじ3 |
水 | 大さじ3 |
グレープシードオイル | 適量 |
粗く刻んだ山椒麹を水に入れて、溶く。
ボウルに卵を割り入れてほぐし、1を加えて混ぜ合わせる。
卵焼き器を中火で熱し、グレープシードオイル(太白胡麻油でもオッケー)を含ませたキッチンペーパーで油をなじませる。2をお玉に1/4量くらいを入れて広げ、半熟になったら手前に向かって巻き、再び卵焼き器の先に戻す。これを2がなくなるまで繰り返す。
焼き上がったら巻きすかラップで形を整え、粗熱が取れたら食べやすい大きさに切る。
あさり | 200g |
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山東菜 | 2株 |
日本酒(純米酒) | 1/3カップ |
山椒麹 | 小さじ1~2 |
あさりは砂抜き、塩抜きをしたら殻をすり合わせてよく洗う。
山東菜は5cm程度に切る。
深めの鍋に、日本酒と山椒麹を入れて軽く混ぜ、あさりと山東菜の茎の部分を入れて蓋をし、強火にかける。
鍋の中が沸騰してきたら1~2分、あさりの口が開くように軽く鍋を揺すりながら加熱する。口が開いたら煮汁を味見し、塩気が足りなければ山椒麹で味を調える。
山東菜の葉の部分を入れて蓋をしたら火を消し、山東菜がしんなりするまで蒸らして出来上がり。
明日(2019年10月13日)は山椒麹を使ってつくる“ちりめん山椒”と“魚の山椒麹焼き”です!
日本酒をこよなく愛する酒肴家、料理研究家。萩ふるさと大使でもあり、萩焼の作家有志とともに考案した沓形の酒器が好評(東京「籠屋 秋元商店」や神奈川「望月商店」などの酒販店で販売中)。著書に『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)など。
文:山内聖子 写真:三浦英絵