“海老マヨ”は、揚げた海老にマヨネーズソースをまとわせた香港生まれの名菜である。「赤坂璃宮」の“海老の璃宮特製マヨネーズ和え”はサクサクぷりぷりの海老と風味豊かなマヨネーズソースが絶妙だ。
今や“海老チリ”をしのぐほどの人気者となった“海老マヨ”。“海老のマヨネーズ和え”などと呼ばれる、香港生まれの料理、つまり香港菜である。
揚げた海老にマヨネーズをたっぷりと絡めることから、こってり重いイメージだが、「赤坂璃宮」のそれはまろやか、かつ軽やか。毎日でも食べたくなる、極上の“海老マヨ”だ。
譚彦彬シェフが初めて“海老マヨ”を食したのは“海老マヨ”誕生から間もない1980年代の香港でのこと。
「これは面白いと思いました。90年代には店でつくるようになって、マヨネーズソースの配合をいろいろ工夫しましたね」
元英国領である香港の料理らしく、ソースはマヨネーズにコンデンスミルク、ジンを加えるのが通例だ。「簡単でしょう?家でもつくりやすいし、誰もが大好き。一番喜ばれる中国料理だね」と譚さんは言う。
わが家の中華ディナーの主役は“海老マヨ”で決まり!
マヨネーズソース | |
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・ 生クリーム | 大さじ2強(乳脂肪分40%前後) |
・ コンデンスミルク | 大さじ2強 |
・ ジン | 小さじ1/3 |
・ ケチャップ | 小さじ1弱 |
・ マヨネーズ | 100g |
海老 | 中10尾(むき身) |
塩 | 少々 |
胡椒 | 少々 |
片栗粉 | 適量 |
胡麻油 | 少々 |
溶き卵 | 60g |
揚げ油 | 適量 |
ナッツ | 適量(カシューナッツなどを砕く) |
パセリ | 適宜(ドライ) |
ボウルに生クリーム、コンデンスミルク、ジン、ケチャップを入れて混ぜる。均一になったら、最後にマヨネーズを加えてよく混ぜ合わせる。
海老は背ワタを取りのぞき、ボウルに入れ、塩、胡椒、片栗粉、胡麻油の順に加えてもみ込む。
2の海老に溶き卵、片栗粉30gを加えて手でよく混ぜ合わせる。片栗粉を入れたバットに海老を移してまぶす。余分な片栗粉を落とし、ボウルか別のバットに移す。
鍋にたっぷりと揚げ油を入れ、中火で170度に熱する。3の海老を投入する。衣が固まってきたら菜箸か玉杓子でざっと混ぜ合わせる。1~2分たち、表面に浮き上がってきたら金網などに取り出す。
4をボウルに移し、マヨネーズソースを加えて、軽く和える。皿に盛ってナッツとパセリを散らしてでき上がり。
甘味、酸味、コクが三位一体となった厚みがありながら軽やかなマヨネーズの味わい。下味、衣、片栗粉の3段階の下ごしらえを施して揚げた、海老のサクサクぷりぷりな歯ごたえ。この旨さをぜひ体感してみてください!
――6月26日の“「仙台坂ひむか」のチキン南蛮”につづく。
日本を代表する広東料理の名店「赤坂璃宮」のオーナーシェフ。「ナッツはピーナッツ、松の実でもいいですよ。仕上げにカイエンペッパーかパプリカパウダーをふっても」と、譚さんは教えてくれました。
文:遠藤綾子 写真:石井雄司