福島県有数の米産地である大玉村。この秋、人口9000人ほどの小さな村から新しいブランド米「あだたらの恵(めぐみ)」が誕生した。大玉村の一等米をさらに厳選したプレミアム米は、徹底した栽培基準を満たした希少な米。ごはん好きにぜひ食べてほしい、“とっておきの米”である。

福島県大玉村は日本百名山のひとつ、安達太良山の扇状地が広がり、肥沃な土壌と豊富な雪解け水、寒暖差の大きな気候に恵まれ、おいしい米を作る条件が揃っている。
そんな米の栽培適地がブランド米に課した基準は、環境にやさしい農業に取り組む「みどり認定」を受けている農家であること、カメムシ防除空中散布しないことなど5項目に上る。
中でも目を引くのが、食味値88以上を目標とした栽培の取り組みをするという項目。日本の米の標準値は70と言われ、80で良食味米と認められる中、あだたらの恵が目指すのは88である。それだけに、この新ブランドを名乗れる米は少ない。食味値88以上となった「あだたらの恵 特等」は大玉村産の新米のわずか0.03%。食味値84以上88未満に納まる「あだたらの恵」を含めても0.1%ほど。超希少米と言っていいだろう。
ちなみに特等となったのは全量コシヒカリで、通常の「あだたらの恵」はコシヒカリと福島県のトップブランド米「福、笑い」の2品種である。当然のこと、値段も高い。特等の5キロ6,300円(消費税込)は、現時点の新米の全国平均小売価格を優に2,000円上回る。

今年10月16日、この「あだたらの恵」のプレス発表会が都内のホテルで開催された。集まったのはテレビ局や全国紙、食関係のメディアに加えてdancyu食いしん坊メンバーの52名。大玉村の紹介動画とともに大玉村村長の押山利一氏の挨拶、大玉村産業課長の藤田良男氏による詳細かつ丁寧な米の説明で幕を開けた。

続いて登壇したのは、福島大学 食農学類 農業生産学コースで作物や栽培学などを専門に研究する新田洋司教授。2019年から現在まで、大玉村でつくられる米のおいしさを科学的に解き明かした分析・調査結果を解説するとともに、「大玉村の米は全国的にみても良食味米であり、それが毎年安定的に生産されている」という話に、会場からも納得の声が上がった。

当日、試食用に用意されたのは食味値88以上を満たした「あだたらの恵 特等」と、2種類の“ごはんのお供”。「あだたらの恵」に合わせてそれぞれ2種類の料理を考案してくれたのは、「ごはん同盟」の調理担当で料理研究家のしらいのりこさんと、「Wakiya 一笑美茶樓」「トゥーランドット臥龍居」などのオーナーシェフ脇屋友嗣さんである。
ステージに上がった二人は、できたばかりの新米「あだたらの恵み」を食べた感想を、こう答えてくれた。
「すごくリッチなお米だなと思いました。主張があって素晴らしいお米ですね」(しらいさん)。「まず蓋を開けたときの香り、つや、⽢み、粘りが好きでした。僕は柔らかい粘りのあるお米が好みなので、すごくいいお米だなと感じました」(脇屋さん)。そんな二人の話に耳を傾けながら、目の前のしらいさん考案の「牛肉とごぼうのオイル佃煮」と、脇屋さん考案の「しらすの香味醤」をお供に、ごはんが進むこと進むこと。あっという間に、炊き立ての「あだたらの恵」が口内に消えていった。






試食中も、ステージに上がった生産者、新田教授、関係者に会場から質問が数多く寄せられ、新しいブランド米に対する関心の深さに驚かされた。
終了後、出席してくれたdancyu食いしん坊倶楽部メンバーに食べた感想を聞いた。
「甘みもあって粒も大きく、とてもおいしかったです」「口に入れた瞬間にふわっと甘くて、本当においしいお米。お供もぴったり。ふるさと納税で取り寄せようと思います」「科学的に分析した教授の話がとても勉強になりました」といった声が寄せられた。

今年はふるさと納税でしか手に入らない「あだたらの恵」だが、その特等を味わうチャンスが実はある。10月30日から11月12日まで、dancyu食堂では、すべての定食のご飯を「あだたらの恵 特等」(食味値88以上)で提供するのだ。
それだけではない。「あだたらの恵」の提供に合わせて10月30日からの1週間は、先に紹介した脇屋友詞シェフ考案の「しらすの香味醤」が、11月6日からの1週間は、ごはん同盟のしらいのりこさん考案の「牛肉とごぼうのオイル佃煮」が小鉢としてすべての定食に付く。
さらに、プレゼントキャンペーンまである。10月30日から11月12日の期間中に、「あだたらの恵」が付いたdancyu食堂の定食をオーダーして、その写真と味の感想をSNSに投稿したお客様を対象に、抽選で10人に「あだたらの恵」が当たる。これは絶対に見逃せない!
大玉村 産業課 農政係
TEL:0243‐24‐8107
文:REVE 撮影:工藤睦子