私の行きつけ~住む町の旨い店案内~
【欲しい、京都に行きつけ】ねっとり感この上ない"練りごま"は有名料亭や割烹からも愛される『祇園むら田』~料理家ウー・ウェンさんの紹介

【欲しい、京都に行きつけ】ねっとり感この上ない"練りごま"は有名料亭や割烹からも愛される『祇園むら田』~料理家ウー・ウェンさんの紹介

その町の住人が長く通う店こそ、愛される名店に違いない。dancyu2025年夏号では、京都と東京の二拠点生活をする、料理家ウー・ウェンさんに京都を案内してもらいました。

京都の料理屋を支え続けてきた、和食材の“素材感”に唸る!

大正9(1920)年に創業した「祇園 むら田」。和食材を卸店として商いを続け、名料亭や割烹をはじめとした料理店の味を支えてきた。

四代目社長・村田賢俊さん曰く「小売りを始めたのは30年ほど前です。取引先の料理人さんに、口コミで広めていただきました。大切にしているのは品質です」。

村田さん
日々、品質の向上に余念がない村田さん。「本当によいものだけをお届けしたい」と微笑む。

なかでも胡麻が名物で「白と黒の胡麻は、私の料理に欠かせません!」とウーさん。「とても香り高く、素材の味が強いのです。それでいて手頃なんですよ」。

練り白ごま
「練り白ごま」は大(900g)中(480g)小(240g)あり。写真は、240g1,026円。「香りも味わいも、コストパフォーマンスも素晴らしいんです」とウーさんを魅了する。

ウーさんが「白」と言う“煎り白ごま”は、乾燥させた胡麻の表皮を取り煎り上げる。また、ねっとり感この上ない“練りごま”は、驚くほど芳しくて濃厚。「この練りごまは、和え麺のソースにしたり、小麦粉に練り込み花巻きにしたり。わが家のさまざまな料理に大活躍しています」。

さらに、ウーさんが手放せないという一品が「錦糸のり」だという。「針のように裁断した錦糸のりが、瓶の中にこれでもか!というくらい詰まっていて驚きますよ。蓋を開けた瞬間に溢れ出ることもありますから、ボウルを受け皿にしてください」。

商品
左から錦糸のり30g1,566円。煎り白ごま450g2,538円。練り白ごま240g1,026円。
商品
ごま製品は115gからサイズ違いで複数を用意。ギフトセットもあり、贈答にもおすすめ。

厳選した国産海苔を使っているため、ごく少量でも海苔の風味を楽しむことができる。「素麺のトッピングとして。お弁当にも重宝します」。

店内
「京都景観賞」を受賞した、趣のある京町家のなかへ。「オンラインでも購入できますが、ここへ足を運ぶことに価値があるんです」とウーさん。

教える人

料理家 ウー・ウェンさん

料理家 ウー・ウェンさん

北京生まれ。1990年に来日。料理研究家としてクッキングサロンを主宰しながら、シンプルで体にやさしい中国家庭料理のレシピを雑誌や書籍、テレビなどで幅広く発信している。家庭では二人の子供をもつ母。最新刊は『最小限の材料でおいしく作る9つのこつ』(大和書房)。

店舗情報店舗情報

祇園むら田
  • 【住所】京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町478
  • 【電話番号】075‐561‐1498
  • 【営業時間】10:00~17:00
  • 【定休日】日曜 祝日 水曜不定休
  • 【アクセス】京阪電車「祇園四条駅」より9分
dancyu 夏号
dancyu2025年夏号
A4変型判(160頁)
2025年6月6日発売 / 1,500円(税込)

文:船井香緒里 写真:エレファント・タカ

船井 香緒里

船井 香緒里 (フードライター)

福井県小浜市出身、大阪在住。塗箸製造メーカー2代目の父と、老舗鯖専門店が実家の母を両親に持つ、酒と酒場をこよなく愛するヘベレケ・ライター。料理専門誌やカルチャー誌、ウェブなどの編集・執筆を行う。食の取り寄せサイトや飲食店舗などのキュレーションを手がけるなど、食を軸としながら縦横無尽に展開。暴飲暴食を日課とし、ジョギングとロードバイクにて健康維持。「Kaorin@フードライターのヘベレケ日記」で日々の食ネタ発信中。