11月20日(月)~12月3日(日)まで、2週間限定で、「dancyu食堂」でお食事された皆さまに温州みかんをプレゼントします。そこで、温州みかんについて、ちょっとした情報をまとめてみました。あまりにも身近すぎる存在なので、知っているようで知らなかったこと満載。プレゼントする温州みかんの産地は日替わりなので、「dancyu食堂」に通う楽しみも増えるはず!
秋から早春にかけて、くだものコーナーを彩る温州(うんしゅう)みかん。橙色ともオレンジ色とも違う、独特なみかん色のくだものは、日本生まれの柑橘類だ。江戸時代、種ありが当たり前だった柑橘類から、突然変異で種無しが生まれたことが誕生のきっかけという。その発祥は鹿児島県の長島地区といわれ、当時は“長島みかん”と呼ばれていたのだとか。皮が薄くて瑞々しく、おいしい。そんな評判から、各地で広く栽培されるようになった。
日本生まれの温州みかんだが、そのおいしさに魅了される外国人も多く、アメリカでは、「サツマ・マンダリン」と名付けられている。日本のみかんが、アメリカでは「サツマ」の名で親しまれているというから面白い。
さて、この温州みかん、何種類かあるに違いない、と感じたことがある人も多いのでは?ちょっと小ぶり、ふっくら大きめ、酸味がある、甘くて濃いなど、温州みかんの味わいは実に個性豊か。でも、それらは、すべて温州みかんなのだ。
この味わいの違いは、産地由来の影響も多少はあるらしいが、収穫時期によるものというから驚きである。温州みかんは収穫時期で大きく4種類に分けられている。
温州みかんは、実は味わいの移ろいを楽しむ果実だったのである。旬の食材を通して季節を味わう日本料理に通じる美学。これからは温州みかんの楽しみ方が変わりそうだ。
コースで味わう日本料理のお品書きで、最後に「水菓子」と書かれていることがある。ひんやりしていてツルンとした和菓子を想像していたら、くだものが出てきた、という経験ありませんか?かつて、くだものは“菓子”(食事以外のすべての間食、の意)と呼ばれていたところ、江戸時代になると「人が手を加えて甘くつくる食べ物」だけを限定的に指すようになり、それと区別するためにくだものを“水菓子”と呼ぶようになったという。ちなみに関西では“くだもの”と呼んでいて、水菓子は江戸の町限定の言葉だったらしい。
「食後にくだものをいただくと口の中がさっぱりしますし、栄養的にもいいんですよ」というのは、「dancyu食堂」の松浦寛大料理長である。「日常の食事では不足しがちなビタミン類、とくにビタミンCを補えます。さらに、甘くて風味のよいくだものは食後の満足感を高めてくれます」とのこと。
とくに水溶性のビタミンCは、こまめに摂取したほうがいい栄養素だ。食事のたびにくだものでビタミンCを補充する。ぜひ身につけたい習慣である。
11月20日から「dancyu食堂」で始まる、温州みかんプレゼントでは、うれしいことに産地の異なる温州みかんを日替わりで提供する。温州みかんは収穫時期で移ろう味わいを楽しむくだものと紹介したが、早生のもっともおいしい温州みかんが各産地から届くとあっては、味わいの違いを食べ比べてみるのはいかがだろう。
「温州みかんは身近なくだものですが、食べきらないと次を買えないもの(笑)。なので、産地の異なるおいしいみかんを毎日1個ずつ食べ比べられるなんて、めったにないチャンスです。プレゼント企画は12月3日までなので、この機会をぜひお見逃しなく!」と目を輝かす松浦料理長。
実は、温州みかんは気分転換のおやつにも最適。みかんの酸味であるクエン酸は、疲労とともに体内に溜まる乳酸を分解してくれるのである。
このほか、みかんの内皮についている白い膜には食物繊維が豊富に含まれている。腸内環境も整えてくれるという。さらに最近注目されているのが、温州みかんの色素であるファイトケミカル「カロテノイド」に含まれるβ-クリプトキサンチンという栄養素だ。骨の代謝を助ける、多くの生活習慣病を引き起こす活性酸素を減らすなどの研究成果が、農研機構果樹研究所から発表され、海外からも注目を集めている。柑橘類のなかでも温州みかんの含有率が飛びぬけて多いというから、ストレス社会を生きる大人たちを応援してくれる、うれしいくだものなのだ。
温州みかんの旬が終盤に近づくと、続々と登場してくるのが伊予柑や夏みかん、八朔などの柑橘類である。最近では、デコポン®、紅まどんな、清見、はるみ、タロッコオレンジなど、バラエティに富み、日本の柑橘類はまさに百花繚乱。おいしさも劇的に進化中で、同時に高級化も進んでいる。
そんな中にあって、人々の暮らしに寄り添ってくれる柑橘類といえば、だんとつで温州みかんにほかならない。常温下に置いておけるなど保存性が高いので、買い置きしやすいのも魅力である。柑橘類以外のくだものも含めて、これほど安定ポジションを獲得しているものはないだろう。
手で簡単に皮がむけて食べやすいのに、持ち運びもしやすい。そういえば、海外では、このように簡単に手でむいて食べられることから、“TVオレンジ”という愛称で呼ばれているとか。
旬真っ盛りの温州みかんから始まる、柑橘パラダイスin JAPAN。おいしく食べて、日本ブランドを大いに盛り上げよう。
●日本みかん農協(日本くだもの農協)
日本各地に広がるくだものの産地で、生産者が丹精こめて育てているくだもののおいしさ、すばらしさを、より多くの消費者に広める広報活動を展開。「毎日くだもの200グラム運動」のほか、「国産果実の持つ栄養・効能や機能性」の普及など、さまざまな活動を推進しています。事務局は、日本園芸農業協同組合連合会。
文:斉藤由利子 写真:木村心保