松尾貴史のカレードスコープ
丁寧にスパイスの香りを抽出したチキンカレー定食|松尾貴史のカレードスコープ(69)

丁寧にスパイスの香りを抽出したチキンカレー定食|松尾貴史のカレードスコープ(69)

知り合いのカレー職人に案内され、月数回ミュージシャンのライブ演奏もあるという、音楽とカレーが売りのカフェバーを訪れた松尾貴史さん。福岡のカレー界ではレジェンドといえる人がつくるチキンカレーとは――。

福岡カレー界のレジェンド

10年ほど前だったか。福岡の高砂界隈で、古民家を利用した良い風情のスープカレー店「カヨカリ」の前を、閉店直前の深夜11時50分にたまたま通りかかって吸い込まれて食べて大ファンになり、それからマンションの3階に移転して「クロネコード」となって、閉店後はあちらこちらの店に請われて方々でカレーを作っている「さすらいのカレー職人」佐々木加代さんに案内されて、知り合いがやっているという、「遊来友楽」へやって来た。

店内

ごく最近、近所からこの場所に移転して来られたという店は、小ぶりなライブハウスのような雰囲気。店の奥には小さなステージと演奏用の機材が設えられていて、夜の営業が楽しいものであることを物語っている。

演奏用の機材

福岡のカレー界ではレジェンド的カリスマと言われる元「スパイスロード」の高田健一郎氏と二人三脚で活動してきた元相棒、ジャスティン小川さんの店だ。

この日はランチでチキンカレー一択、ミニサラダと味噌汁が添えられて900円だった。

チキンは骨付きの手羽元で、2本がほろほろに煮込まれている。カレーは独特の香りなのにバランスが良く、辛さもジャストな的を射た感じ、まさにジャスティン。

チキンカレー

味噌汁はコクのある旨味の濃いもので、こっそりダルスープのようにカレーと混ぜてライスに合わせてみるとこれまた合うのが面白い。

シナモンスティックなどと混じって、ホールスパイスのカルダモンが茶色く存在を主張しているので、噛んで中の粒を出して味わうと、香ばしく爽やか。
「ブラウンカルダモンですか?」と聞いたら、「グリーンカルダモンですが、じっくりテンパリングして良い色になっているんです」と教えてくださった。香りを抽出するための作業を丁寧になさっているのだ。

高田氏が開発したスパイスふりかけにも興味を惹かれたので、これは是非家で試してみようと思う。

外観

店舗情報店舗情報

遊来友楽(YURAYURA)
  • 【住所】福岡県福岡市中央区高砂1‐8‐8 サンクス渡辺通 2F
  • 【電話番号】092-284-0881
  • 【営業時間】11:30~14:00(L.O.) 18:00~1:00(L.O.)
  • 【定休日】不定休
  • 【アクセス】福岡市地下鉄七隈線「渡辺通駅」より5分

文・撮影:松尾貴史

松尾 貴史

松尾 貴史 (俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト)

1960年5月11日生まれ。神戸市出身。大阪芸術大学デザイン学科卒業。 俳優、タレント、コラムニスト、“折り顔”作家、下北沢のカレー店「般°若(パンニャ)など幅広く活躍。著書に『人は違和感が9割』(毎日新聞出版社)『違和感ワンダーランド』(毎日新聞出版社)『ニッポンの違和感』(毎日新聞出版社)等がある。YouTubeチャンネル「松尾のデペイズマンショウ」も随時更新中。