素敵な雰囲気の中、洋食を堪能したが、思い切りかぶってしまった......＠日光「西洋料理 明治の館」｜編集長・植野の食日記　2023年8月10日（木）

ハンバーグ、ミートソース、オムライスで挽き肉＆デミかぶり

日光は、明治時代に外国人の別荘地として賑わいました。蓄音機を日本に初めて紹介し、蓄音機・レコードの製造販売を行った日本蓄音機商会（日本コロムビアの前身）を創設したアメリカの貿易商F.W.ホーンも日光に魅せられ、別荘を建てました。この古い洋館を生かしたのが「西洋料理 明治の館」です。

木々に囲まれた建物は石造りの重厚な佇まいで、店内も時の重みを感じさせる落ち着いた素敵な雰囲気。みなさん、穏やかな表情で食事を楽しんでいます。僕も上品に……と思いつつ、メニューを舐めるように眺め、熟考の末、とにかく食べたいものを頼むという本能的オーダーを決定。

まずは地元の食材を生かした、“湯波と干瓢（かんぴょう）のサラダ”を。湯葉は日光の名産品ですし、干瓢は栃木県が全国の9割以上を生産する日本一の産地です。栃木県出身の僕としては押さえておかないと。そして、“ビーフハンバーグステーキ”を（栃木県は牛肉の名産地でもあります）。締めはもちろん、一番人気の“オムレツライス”。ん、待てよ、“スパゲティミートソース明治の館風”という魅力的なネーミングの一品もある。えーと、両方ください！

“湯波と干瓢のサラダ”はアスパラ、きゅうり、にんじんなどを干瓢と湯葉で巻いた美しい姿。味わいも清らかで食欲が刺激されます。

ハンバーグはきちんと肉感がありながら、なめらかな口当たり。そしてデミグラスソースがよく合います。浮ついたところや余分な甘味がない、しっかりと肉に寄り添う味わい。
続いて登場した“スパゲティミートソース明治の館風”がすごかった！茄子がはいったスパゲッティにミートソースがかかり、ミートコロッケものっているという、ワンプレートディッシュというか、ピアット・ウニコというか、この一皿だけで食事が完結する内容。ミートソーススパゲッティだけでもバターと酒が効いた深い味わいで、さらにミートコロッケも食べ応え十分。

そして最後に“オムレツライス”。ケチャップライスにふわりとしたオムレツがのり、たっぷりのデミグラスソースがかかった、見た目も味わいもくっきりとしたコントラスト。

本能に従って注文すると食べ過ぎる、という当たり前のことに改めて気付くとともに、ハンバーグとミートソースとミートコロッケで挽き肉がかぶり、ハンバーグとオムレツライスでデミグラスソースがかぶり（ミートソースもややかぶり）、いろいろ頼んだつもりでも、結果かぶりまくった、ということになりました……。