いま「食」を語る。~編集長・植野が「食」の達人にインタビュー~
食の楽しみは人を知ること、背景を感じることだと思います|ELEZO 佐々木章太さん最終回 Chapter3現在地と未来

食の楽しみは人を知ること、背景を感じることだと思います|ELEZO 佐々木章太さん最終回 Chapter3現在地と未来

佐々木さんは2022年に十勝にオーベルジュをオープンさせました。それも当初から描いていたプランのひとつですが、そこには、どんな思いが込められているのか、さらに今後ELEZO(エレゾ)はどこを目指すのか、改めて佐々木さんの思いを伺いました。

エレゾの美学や哲学を表現する場としてオーベルジュをつくりました

外観

ELEZO(エレゾ)をスタートさせたときに佐々木さんは明確なビジョンとプランを立て、それを着実に実行してきました。その一つの集大成として開いたオーベルジュ「エレゾ・エスプリ」は、これまでELEZOが着実に培ってきた精神や美学、哲学が集約されています。

多くの人にそれを知ってもらうため、あるいはELEZOのスタッフに目指すところを示すための場でもあります。佐々木さんのスタッフ育成についての考え方なども含め、この先ELEZOが、そして佐々木さんが目指すものは――。

語る人

佐々木章太さん

ささき・しょうた●1981年、北海道・帯広生まれ。東京・西麻布「ビストロ・ド・ラ・シテ」などで経験を積み、2005年に食肉の自社一気通貫型モデルを確立するため「ELEZO(エレゾ)」を設立。ジビエの狩猟、家畜家禽の生産、それらの肉食材で熟成流通、加工製造、レストラン運営の4部門構成で独自の展開を構築する。十勝のエレゾ・ファームでジビエの狩猟や放牧豚などの飼育を行い、全国各地の信頼するレストランに精肉卸すほか、シャルキュトリ製造にも定評が高い。飲食でも東京・虎ノ門のエントリーモデルとして位置付ける「エレゾゲート」で料理を提供。2022年には十勝にオーベルジュ「エレゾ・エスプリ」をオープン。ジビエや畜肉の熟成流通や加工製造における従来の“常識”を覆し、スタート当初より生産から飲食までの一貫した理想の体制を描き、それを着実に実行している。多彩なスタッフをまとめあげる兄貴分的存在の佐々木さんは、熱い思いを抱きつつ、冷静に計画をこなすリーダーである一方、ロマンチストであり、おちゃめな人でもある。