その店は、毎回、新鮮な驚きと意外な味わいで楽しませてくれます。今回も一皿ごとに驚きがありました、中でも感動的に美味しかったのは、平目と大根とフォアグラと土佐文旦の組み合わせでした……。
店に通う楽しみは二種類あります。ひとつは、定番の味を楽しむこと。「寒くなったから、あの店のあの鍋が食べたいな」「あそこの店の締めの炊き込みご飯がいつも楽しみ」といった感じです。もう一つは、毎回の変化を楽しむこと。「何度も行っているのに、いつも新たな感動があるよね」というお店です。
たとえば、東京・恵比寿の「小泉料理店」。小泉洋シェフが一人でつくる料理の数々、特に食材の組み合わせやそのまとめ方には毎回驚かされます。この日も、ゆでたての“フランス空豆”から始まり、“冬野菜と酒粕スープ”“鴨焼売”“平目と大根の冷製 フォアグラと土佐文旦”“カブと白子ムニエル 葛餡ゆずの香り”“鰆のロースト ソースライムリーフ”“山形牛と赤牛タンの炭焼き”“トリュフチーズケーキ”と、めくるめく小泉ワールドが繰り広げられました(それぞれに合わせてくれるナチュラルなワインとの相性がまた楽しい!)。
どれも、香りと温度と食感のバリエーションを伴った食材の組み合わせが楽しいのですが、中でも“平目と大根の冷製 フォアグラと土佐文旦”は口に入れた瞬間、目を見開いてしまいました。平目と大根のやさしくてしたたかな食感の組み合わせだけでも絶妙なのに、それらをフォアグラのコクが妖艶に絡みつつまとめてくれて、ふと油断すると土佐分担の爽やかな酸味が横切る……心地よい快感に浸ってしまいました。これは日本酒(純米酒)も合いそう。
こんな斬新かつ鮮烈な料理が次々と出てくるのですが、小泉シェフは何事もなかったかのように淡々飄々と料理をつくります。センスと技術とフランスでの豊富な経験(料理だけでなく、いろいろヤバい状況になったこともあるとか……)があってこその料理かもしれませんが、また次が楽しみになりました。
文・写真:植野広生
店に通う楽しみは二種類あります。ひとつは、定番の味を楽しむこと。「寒くなったから、あの店のあの鍋が食べたいな」「あそこの店の締めの炊き込みご飯がいつも楽しみ」といった感じです。もう一つは、毎回の変化を楽しむこと。「何度も行っているのに、いつも新たな感動があるよね」というお店です。
たとえば、東京・恵比寿の「小泉料理店」。小泉洋シェフが一人でつくる料理の数々、特に食材の組み合わせやそのまとめ方には毎回驚かされます。この日も、ゆでたての“フランス空豆”から始まり、“冬野菜と酒粕スープ”“鴨焼売”“平目と大根の冷製 フォアグラと土佐文旦”“カブと白子ムニエル 葛餡ゆずの香り”“鰆のロースト ソースライムリーフ”“山形牛と赤牛タンの炭焼き”“トリュフチーズケーキ”と、めくるめく小泉ワールドが繰り広げられました(それぞれに合わせてくれるナチュラルなワインとの相性がまた楽しい!)。
どれも、香りと温度と食感のバリエーションを伴った食材の組み合わせが楽しいのですが、中でも“平目と大根の冷製 フォアグラと土佐文旦”は口に入れた瞬間、目を見開いてしまいました。平目と大根のやさしくてしたたかな食感の組み合わせだけでも絶妙なのに、それらをフォアグラのコクが妖艶に絡みつつまとめてくれて、ふと油断すると土佐分担の爽やかな酸味が横切る……心地よい快感に浸ってしまいました。これは日本酒(純米酒)も合いそう。
こんな斬新かつ鮮烈な料理が次々と出てくるのですが、小泉シェフは何事もなかったかのように淡々飄々と料理をつくります。センスと技術とフランスでの豊富な経験(料理だけでなく、いろいろヤバい状況になったこともあるとか……)があってこその料理かもしれませんが、また次が楽しみになりました。
文・写真:植野広生