滋賀県産の酒米で、粒の大きな玉栄と山田錦の交配品種。より大きな山田錦がつくりたいという狙いがわかりやすい交配例。結果、大粒かつ心白が出やすい品種となった。
静岡県の酒米で、山田錦の耐倒伏性の改良するため放射線処理と有望な株の選抜によって誕生。収量も多く、山田錦の酒造適性のよさも継承され、使いやすい品種となった。
銘醸地・広島を代表する県産米。もともと県産米の代表格であった八反35号にアキツホを掛け合わせ、弱点を克服。1号、2号の姉妹品種があり特徴が異なる。
比較的よく目にする酒米を中心に紹介したが、まだまだ品種はたくさんある。「もっと旨い酒を醸したい」――その一心で、今でも県の農業試験場などでさまざまな品種改良が行なわれている。そこから農協などを通じて各農家へと受け継がれ、毎年営々と続いてきたのが酒米づくりだ。しかしコロナによる自粛で酒の消費が落ち込み、農業も危機に直面している。ここはひとつ、旨い酒を買って飲むことで少しでも農家や蔵元たちにエールを送ってはどうだろうか。
酒米を知ると農業と酒造りに情熱を傾ける人たちの息づかいが聞こえてくる。ぜひ近くの酒販店やオンラインショップなどでいい酒に出合ってほしい。
「いまでや」代表取締役社長。全国の地酒や本格焼酎、ワインなど美酒をそろえる。酒の輸出にも力を入れている。
IMADEYA本店
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熊本大学大学院先端科学研究部教授。専門は植物系統分類学。趣味で日本酒指導師範などの資格も取得する酒好き。著書に『酒米ハンドブック』(文一総合出版)がある。
文:深井戸 月 写真:相澤 正