目黒にあるイスラエル料理店「マルセロズ」ではイスラエルならではのさっぱりフレッシュな熟成肉の新しい味わいを楽しめます。
肉モード全開で向かった先はステーキ店ではなくイスラエル料理店である。実はこの店では、熟成肉のステーキが楽しめるのだ。
店主のラヴ・マルセロさんは、カナダ、イスラエルで熟成肉の技を習得し、2010年に奥様の麻由子さんとこの店を開いた。自身の店で提供したかったのは、祖国の味と20年にわたって腕を磨いてきた熟成肉のステーキだ。
自慢のステーキは、弾力があって、噛むほどに深い旨味が広がる。それを、スパイスが複雑に入ったディップや、清涼感あふれるイスラエルサラダと合わせて食べてみる。すると、スパイスのパンチやレモン汁の酸味、ナッツやきゅうりの食感が調和して、肉の美味がさらに引き立つではないか。
ラヴさんは、理想の牛肉に出会うまでに、約3年間、塊肉を買っては試す日々を過ごしたという。
「育った環境や餌の味が、色や香りに如実に現れます。だからなるべく自然な環境で育った牛を使いたいんです」
そしてやっと出会ったのがオーストラリア産のブラックアンガス牛。グラスフェッドの放牧牛で、45日を目安に最適な食べ頃までねかせていく。
長い余韻を残す熟成肉の、イスラエル料理店ならではの食べ方に開眼!ステーキの楽しみ方が広がった。
文:羽鳥靖子 写真:海老原俊之
※この記事の内容はdancyu2018年10月号に掲載したものです。