門前仲町にあるバーと居酒屋の良いところ取りの「酒肆一村(しゅしいっそん)」では、アジフライとレモンサワーの一味違う相性を楽しむことができます。
カクテルライクなレモンサワーと、大衆酒場へのオマージュがちりばめられた創意あふれるつまみ。バー×居酒屋のハイブリッドなスタイルで酒飲みの心を掴む「酒肆 一村」。レモンサワーとアジフライという鉄板の組み合わせも、当然、ひと味違う。
アジフライは開いた身を三日月形に切った二口サイズ。小骨を徹底的に取り除き、衣はサクッと、中はフワッと。「酒のつまみは、食べやすさが命」と話す店主・大野尚人(ひさと)さんの信条が表れる仕上がりだ。そこに野菜の甘酢漬けでつくる自家製タルタルソースでひねりをプラス。
合わせるレモンサワーはジンベース。うすはりのグラスに大きな氷が二つ、トニックウォーターとソーダで割るキレのある味で、キンキンのうちに飲み終わる量も塩梅がいい。酒場で“マリアージュ”を語るなんて無粋と知りながら、バシッと決まった酒と肴の味の好バランスに唸ってしまうのだ。
スパイスチキンバスケット756円。生姜、にんにくにクミンやローズマリーも加え、名の通りスパイシーに。イメージは「打倒、ケンタッキー」とか。
文:佐々木 ケイ 写真:長谷川 潤
※この記事の内容はdancyu2019年10月号に掲載したものです。