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洋食喫茶の誠実で丁寧なアジ定食「カフェ・レストラン 鍵」|美味しいアジフライが食べたい!③

洋食喫茶の誠実で丁寧なアジ定食「カフェ・レストラン 鍵」|美味しいアジフライが食べたい!③

森下にある老舗喫茶店「カフェ・レストラン 鍵」では、ホテルの厨房を渡り歩いてきたという二代目の絶品アジフライが楽しめます。

手間暇かけたアジフライ定食

スタッフ
右が店主の晴久さん。主に接客を担当する息子の祐樹さんと二人で経営。

吾輩は猫……ではないが、アジ好きである。干物や刺身に目がない。無論アジフライだって大好物だ。
いいアジフライは魚の自然な曲線が生きていて、尾がピンッと屹立している。大口を開けてガブッとかぶりつけば、サクッと衣が弾け、凝縮された青魚の食感がホクッとほどける。
こうした条件をすべて満たす「鍵」のアジフライは、誠実な一皿二尾だ。
創業は「50年以上前」。しかし二代目の矢田晴久さんが店を継いだのは2年前。それまでは30年間、ホテルの厨房を渡り歩いてきた。“アジフライ”も継いだが、レシピは長年のホテル歴の粋を注ぎ込んで新たにつくり上げた。
アジは身の厚い個体を選び、小骨やゼイゴは徹底的に処理。最後は塩と牛乳で臭みを取り、胡椒を効かせる。
手間のかかったこのアジフライ定食700円とは驚きだが、夜の単品は520円とさらなる仰天価格。
通し営業の洋食喫茶、ありがたい。

※現在はテイクアウトのみ営業中。

アジフライ定食
米は清澄白河の老舗米殻店「三河屋」のブレンドコシヒカリ。付け合わせも多彩で、この日はかぼちゃサラダ。創業から人気のアジフライ定食は700円!

ワンモアフライ!

エビフライ

夜の単品メニューで登場するエビフライ990円。下処理で丁寧に筋を切り、ピンと伸びた姿が美しい。実は、店主の晴久さんは無類のエビフライ好き。他店でもエビフライを注文するとか。

店舗情報店舗情報

カフェ・レストラン 鍵
  • 【住所】東京都江東区森下2‐19‐1
  • 【電話番号】03‐3632‐0770
  • 【営業時間】11:30~14:30(L.O.) 17:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】土曜日曜 祝日
  • 【アクセス】都営新宿線・都営大江戸線「森下駅」より1分

文:松浦 達也 写真:岡本 寿

※この記事の内容はdancyu2019年10月号に掲載したものです。

松浦 達也

松浦 達也 (ライター/編集者)

東京都武蔵野市生まれ。家庭の食卓から外食の厨房、生産の現場まで「食」のまわりのあらゆる場所を徘徊する。食べる、つくるに加えて徹底的に調べるのが得意技。著書に『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)、『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(共にマガジンハウス)ほか、共著に『東京最高のレストラン』(ぴあ)なども。主な興味、関心の先は「大衆食文化」「調理の仕組みと科学」など。そのほか、最近では「生産者と消費者の分断」「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター。